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共済掛金6兆6595億円、過去最高 JA共済連2013年7月26日

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 JA共済連は7月25日に開いた第37回通常総代会で24年度決算を承認した。生命総合共済の一時払い契約が件数で前年比116.8%と伸びるなどの要因で、受入共済掛金が過去最高水準の6兆6595億円となり、総資産は50兆円を超えた。

◆生命総合、実績伸展

総会の様子 生命総合共済(生命・医療系・年金共済合計)は、一時払契約が伸展したことなどで259万9000件(対前年度比116.8%)、保障共済金額で12兆2540億円(同122.0%)と前年度を大きく上回った。 一方、建物更生共済は75万8000件(同79.8%)、保障共済金額で11兆1707億円(同74.3%)となった。新契約高の合計保障金額は23兆4248億円で前年度比93.4%だった。東日本大震災後の23年度は建物更生共済への需要が高まったが、24年度は生命総合共済へのニーズが高まったという。 また、自動車共済は842万8000件(同99.8%)、共済掛金2644億円(同107.4%)だった。
 生命総合共済と建物更生共済合計の保有契約高(保障共済金額)は、満期到来による契約期間満了などで、前年度末から6兆4014億円減少して297兆3193億円となった。対前年度比で97.9%となった。一方、生存保障分野である医療系共済は、入院共済金額(入院日額)が241億円となり、前年度比124.3%と伸展した。
 解約・失効率は生命共済3.40%(同3.47%)、建物更生共済3.32%(同5.19%)となった。共済金の支払い実績は総額で3兆4066億円(同78.6%)だった。

(写真)
総会の様子

◆危険準備金を積増し

 一般企業の売上げ高に相当する受入共済掛金が、過去最高の6兆6595億円となったことにともない総資産は50兆6909億円となった。 一方で一時払い契約の伸びに対応し、将来の共済金支払いなどに備える共済契約準備金も約2兆3000億円増加し、負債の部計は47兆円を超えた。
 決算処理では、建物更生共済の支払いリスクに備える異常準備金に1223億円積み立てた。東日本大震災発生で取り崩したが、将来の巨大災害に備え早期復元を図った。また、価格変動準備金は法令改正で積立限度額が引き上げられたことから、515億円を積み立てた。
 契約者割戻率のうち生命総合共済は前年度と同率としたが、建物更生共済(まもり)の危険差割戻率は東日本大震災の影響を大きく受けた23年度よりも引き上げた。その結果、契約者割戻準備金繰入額は102億円増加し、727億円となった。
 出資配当金は前年度と同率の年1.75%。事業分量配当金は前年度と同水準の40億円で、合わせて会員配当金の総額は40億円増の168億円とした。
 支払余力(ソルベンシー・マージン)比率は708.8%で前年度より75.4ポイント増加した。基礎利益は前年度より462億円増加し4983億円となった。

◆3Q訪問、874万世帯

 24年度の主要な取り組みのうち、3Q訪問活動による保障点検活動は前年度比159.8%の451万世帯に対して実施した。3年間の累計実施数は全世帯の96%にあたる874万世帯となった。
 ニューパートナー獲得実績は55万4000人で前年度比104.9%と伸びた。また、保障内容の異なるすべての共済契約実績を共通の基準で評価する「推進ポイント方式」による推進総合実績は75億2969万ポイントと目標(71億8334万ポイント)を達成した。
 仕組み開発では、介護保障ニーズに応える介護共済、一時払い介護共済に取り組み、25年4月から提供されている。また、今年10月の提供に向けて自動車共済で弁護士費用保障特約の新設などの仕組み改訂も行った。
 組合員・利用者からの信頼向上に向けて、遅延利息発生事案の原因分析により支払い迅速化に取り組んだ結果、同事案発生件数は、前年度比80.9%となった。JAにおける共済事業の実施体制強化では、研修等でLA(ライフアドバイザー)の推進力強化を図った結果、推進総合実績に占めるLA割合は73.6%と前年度(72.3%)を上回った。
 また、大規模自然災害の発生時に、迅速に共済金を支払う体制を整えるため、JA職員の損害調査体制の整備を進めるとともに、連合会の広域査定体制も整備した。
 昨年5月には農協共済審議会がJA共済事業の今後の展開方向の基本的考え方などを答申したことをうけて、「連合会の答申具体化基本計画」をまとめた。基本計画は県域を超えた機能集約やシステムの再構築など抜本的な連合会改革の方向を打ち出している。今年度から、JA共済連はこの基本計画の早期実現に取り組むことになる。

【安田舜一郎・JA共済連経営管理委員会会長のあいさつ】

安田舜一郎・JA共済連経営管理委員会会長 今年度は3か年計画の初年度にあたり、農協共済審議会答申の具体化に向けてきわめて重要な年度となる。答申では「地域格差の拡大や農家・組合員の減少、少子高齢化の進行など事業基盤の構造的な変化が進むなかで、抜本的な事業改革の断行による徹底した経営の効率化を図る一方で契約者対応力を強化するよう取り組むことが不可欠である」と示されている。
 この答申を受けて「ひと・いえ・くるま」の総合保障の提供を継続し、答申で示された「より地域に密着したJAらしい事業活動の展開」と「連合会のJA指導・サポート機能等の強化と経営の効率化」をめざすことにしている。
 具体的には地域の特性にあわせてたエリア戦略の展開や県域を超えた広域拠点に連合会の支払査定機能等の集約を図っていくとともに、JAの事務量の大幅な低減等を図るため事務・電算システムの再構築にも着手した。これらを着実に実践し、組合員・利用者の負託に応えていく。


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