LAと事務の連携構築で実績アップ JA共済連2013年10月25日
JAの共済業務担当者を支援・指導する「共済事務インストラクター」。事務処理や組合員・利用者からの問い合わせ対応などサービス向上のために平成18年から始まった。現在、その数は全国で3424人。10月24日には千葉市美浜区のJA共済幕張研修センターに、全国から約100人の共済事務インストラクターが集まり全国交流集会を行った。
◆普及と保全は両輪
JA共済連の山本雅士常務理事は「JA共済が低価格で優れた保障を実現するためには、普及推進活動と保全活動が車の両輪とならなければいけない。このうち、保全活動の要となるのが共済事務インストラクターだ。連合会としては、電算システムの改革などで大幅に事務を減らせるように努力するので、ぜひとも現場でのさらなる活躍をお願いしたい」とインストラクターの活動を期待した。
(写真)
あいさつする山本常務
◆トレーナーと巡回
今年で5回目となる交流集会。体験発表会では「事務指導におけるLAやLAトレーナーとの連携」をテーマに、JA新あきた(秋田県)の奈良真紀子さん、JAみちのく安達(福島県)の大内由美子さんの2人が報告した。
奈良さんはLAトレーナーとともに行っている支店の巡回について発表した。インストラクターになった当初、LAは普及推進の実績重視で、事務処理が中心となる窓口担当職員とは「同じ事業に携わっているはずなのに、役割がばらばらで連携もできていなかった」という。そのため、「同じ案件や問題が何度も上がってくることが多かった」と奈良さん。
そこでLAの指導役であるLAトレーナーと2人で支店を巡回し、LAと事務担当との連携を密にすることをはかった。活動始めた当初は「なぜ同じ支店に2人で行く必要があるのか」、「2人で同時に動くなんて、本店はヒマなのか」など、本店・支店の両方から苦情も言われたが、そうした声に負けることなく巡回活動を継続。次第にLAの方から事務処理を軽減できる報告はどうすればいいのか? などの質問をしてくれるようになり、LA、事務ともに意識が変わり、それにともなって実績も伸びた。
(写真)
体験発表会のようす。
(左から)司会の大内久幸氏(三菱総研)、奈良さん、大内さん、早川健一氏(JA共済連事務企画部)
◆事務処理日数を軽減
大内さんは平成24年4月からJAの全支店を対象にスタートした「チームチャレンジ」について紹介した。これは、LA5?6人と事務担当者1人がチームを組み、1年間通して引き受け処理日数の迅速化などを競うコンクール。優勝チームには褒賞金なども用意している。狙いはやはりLAと事務担当者の連携強化だ。
コンクールスタート直後の24年4月末では、JA全体の平均引き受け処理日数は4.9日だったが、コンクールを通してLA、事務の相互理解と連携が深まり、約1年後の25年2月末には平均で2.3日に短縮。1位チームは実に1.6日にまでスピードアップした。LAと事務がチームを組むことで、お互いの仕事を理解しあい、組合員により迅速に対応できるようにするにはどうしたらいいかを双方が考えながら仕事をする環境が整えられたという。
今年の発表会では、2人ともLAと事務担当との連携をいかにつくるか、そして両者の意識改革により同時に実績も向上させていった、という報告だった。
こうした取り組みのために必要なこととして、自身が兼任インストラクターである奈良さんは「普段の業務もあってなかなか巡回できないとは思うが、朝の時間を有効に活用してほしい。早い時間帯のほうが、気持ちに余裕がありコミュニケーションも取りやすい」、大内さんは「何よりも管理者の支援が必要。事業発展のためには、この活動が大事なんだ、ということをしっかりした企画と熱意で伝える努力をしてほしい」と語った。
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