農林中央金庫がオランダのラボバンクと提携2015年5月28日
農林中央金庫は5月27日、オランダに本拠を置くラボバンクと食品・農業関連金融分野を中心としたグローバルな戦略的提携に関する覚書を締結したと発表した。
ラボバンクは1898年設立の協同組合銀行。オランダ国内で食品・農業関連金融で85%のシェアを持ち、40か国で業務展開し900万人の顧客と取引するリーダ的存在。また、オランダは世界第2位の農産物輸出国だが、ラボバンクでは職員が20か国に常駐して輸出先市場での同国産品のマーケティングやブランドづくりなどを継続的に行っており、それも輸出増大につながっているという。
農林中金は農業を基盤とする協同組合金融機関としてこれまでも交流があったが、今回は改めて戦略的提携を文書で締結した。
日本では農業者の所得増大、農業生産の拡大と地域の活性化が課題となっているが、農林中金はラボバンクとの提携によって生産性を高めるオランダの先進的な経営ノウハウや輸出拡大策を日本の農業者に提供したり、ラボバンクの持つ顧客ネットワークを活用したビジネスの拡充などを実現させていきたい考えだ。 オランダは、たとえばトマトの生産性で世界一、1平方メートルあたり世界平均の14倍の生産量があるという。政府と研究機関が協力し世界市場で競争力のある産品に狙いを定め技術向上やマーケティングに力を入れている。
河野理事長は「協同組合組織として価値観を共有し、食品・農業関連産業を支えるリーディングバンクとしての役割と機能の一層の発揮に取り組んでいく。今回の提携はオランダ農業の強さに学んでいくことが目的」と話した。
記者発表にはラボバンクネダーランドのベリー・マーティン執行役員会取締役が出席。「日本は世界への食料供給に多くのチャンスを持っている。人的交流も通じお互いに学びシナジー効果を発揮したい」など語った。
具体的な提携内容は双方の持つ顧客ネットワークの活用のほか、▽事業資金ニーズの対応拡充、▽共同調査・共同研究、▽人材交流・ノウハウ共有など。提携内容は1年後ごとに見直し継続を図る。
(写真)農林中金の河野良雄理事長とラボバンクのベリー・マーティン取締役
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