地域活性化へ ―協同金融研がシンポ―2016年3月31日
地域経済が衰退するなか、地域と密接な関わりを持つ協同組織金融機関の役割と課題を探ろうと、協同金融研究会は「協同の力で地域の営みの活性化を!」をテーマに3月5日、都内でシンポジウムを開いた。信金、信組、労金、農協等の関係者、研究者、学生らが参加し、熱心な討論を行った。
シンポジウムでは、主催者代表の齊藤正・駒沢大教授が開会あいさつ。田中夏子・日本協同組合学会副会長が基調講演で、「協同の力を高め、私たちの営みに豊かさを!」のテーマにイタリアの社会的協同組合・コミュニティ協同組合の実践事例をもとに、地域の自治・福祉力を高めていった経緯を分かり易く述べ、その意義を語った。
実践報告と全体討論では、沼津信用金庫の高嶋眞樹・常務理事が、さまざまな地域貢献活動と、新たに始めた営業エリア内の事業所へのサポートサービス「ななつぼし」の紹介を行った。
また、秋田県信用組合の北林貞男理事長は、ニンニク振興、秋田どじょうの養殖支援など地域特性を踏まえた「田舎ベンチャービジネスクラブ」や、再生可能エネルギー支援の取り組みを報告した。さらに、群馬県のJA甘楽富岡理事・総務金融委員長の黒澤賢治氏は、壊滅的な崩壊に瀕した繭、コンニャクの産地が組合員の参加と組合のリーダーシップを軸に、今日有数の野菜産地に生まれ変わった経緯を話した。
全体討議では、各報告者の話が具体的で興味深い内容だったこともあり、フロアーからも積極的な発言が出た。
同研究会のシンポジウムは1900年3月に産業組合法が公布されたことに因み、この時期に毎年開かれている。
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