過去最高の約4600億円 日本政策金融公庫の融資2017年4月28日
日本政策金融公庫は4月27日、農林水産事業の平成28年度融資実績を発表した。前年度より833億円増の4593億円(前年度比122%)で、平成20年度の同公庫発足以来過去最高になった。全体の件数は1万1374件だった。
自然災害を受けた農林漁業者等に対応するとともに、攻めの経営に取り組む農林漁業者等を積極的に支援した結果、農業、林業、漁業、食品産業の各分野で、前年度を上回った。
28年度は熊本地震や度重なる台風の上陸などの自然災害に加え、鳥インフルエンザなどの家畜伝染病も発生。経営が悪化した農林漁業者への融資、返済条件の緩和など柔軟に対応した。この結果、農林漁業セーフティネット資金の融資実績は、前年度から52億円増え140億円となった。
また、農業分野への融資は、前年度より666億円増加の3286億円(前年度比125%)。特に「人・農地プラン」で中心的経営体に位置づけられた地域農業の担い手や新規就農者への融資が伸びた。
営農類型別では、件数で全体の4分の3を占める耕種のうち野菜が2921件、稲作が2261件、畜産では酪農が1214件、肉用牛が1163件だった。
新規就農者向けは、青年等就農資金が前年度から2億円増の90億円となり、1218人の経営開始を支援した。食品産業分野では、国産農林水産物を取り扱う食品製造業者や食品流通業者の衛生管理意識の高まりを背景に、HACCP導入のための設備投資等に対応した。
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