農林中金 1100億円減益-16年度決算2017年5月26日
河野理事長「JAは総合事業が大原則」
農林中央金庫は5月25日、平成28年度(2016年度)決算を公表した。経常利益は2140億円を確保したが、外貨調達費用が増加し前年度にくらべて1108億円減少した。ただ、計画では1500億円程度の経常利益目標としていることから高水準を実現。自己資本比率も24.39%と高水準を維持した。
28年度は経常収益は前年度比774億円の1兆3653億円だったが、経常費用が1883億円増加し1兆1512億円となったことから経常利益は▲1108億円の2140億円となった。
経常費用のうち資金調達費用が1428億円増加した。円の調達費用は横ばいだったが、ドルの調達費用は米ドル金利の上昇が影響した。純利益は▲651億円の2061億円となった。2期連続で減益となったが、記者会見で河野理事長は29年度も「1500億円程度の経常利益確保をめざす」と話した。
また、昨年6月から食農ビジネスとして農業と食品産業などを横断的に結びつける食農法人営業本部など4本部制を導入した成果を強調した。
とくにJA全農との協調した英国卸売会社(SFG社)の買収による輸出拡大対策などは、JAグループとして成果が見込まれるとして今後とも生産者手取りの向上につなげていくとした。また、農業法人への融資も28年度で新規に241社で実績をあげたほか、系統全体での農業貸出しも3500億円となり「これまでにない画期的なことではないか」と話した。
◆代理店は目的ではない
一方、JAの信用事業譲渡問題については「あくまでもJAが総合事業をやっていくのが大原則」と強調した。ただ、信金、信組などと同等のリスク管理態勢を実現することがJAに求められていることから、
「その実現がJAにとって難しいという判断をすれば一義的には合併によってそれをクリアすることになり、合併が難しければ信用事業譲渡という代理店方式が仕組みとしてあるためその選択をするということになる」とのJAグループとしての基本方針を指摘するとともに、「代理店方式は目的ではなくあくまでも手段。JAの事業がやりやすくなるための手段であり選ぶのはJA」とJAの自主判断であることを強調した。そのため信連や農林中央金庫が各JAに今後の経営についてのシミュレーションを9月までに提示し、それをもとに31年の5月末までに各JAが判断することにしている。河野理事長は「かりに事業譲渡を選択するJAがあれば信連と農林中金で全力で支援していかなければならないと考えている」と話した。
(写真)「JAは総合事業が大原則」と語る河野理事長
重要な記事
最新の記事
-
【令和6年度 鳥インフルエンザまとめ】2025年1月22日
-
【特殊報】チャ、植木類、果樹類にチュウゴクアミガサハゴロモ 農業被害を初めて確認 東京都2025年1月22日
-
【新年特集】2025国際協同組合年座談会「協同組合が築く持続可能な社会」(1)どうする?この国の進路2025年1月22日
-
【新年特集】2025国際協同組合年座談会「協同組合が築く持続可能な社会」(2) どうする?この国の進路2025年1月22日
-
【新年特集】2025国際協同組合年座談会「協同組合が築く持続可能な社会」(3) どうする?この国の進路2025年1月22日
-
【新年特集】2025国際協同組合年座談会「協同組合が築く持続可能な社会」(4) どうする?この国の進路2025年1月22日
-
禍禍(まがまが)しいMAGA【小松泰信・地方の眼力】2025年1月22日
-
鳥インフル 英イースト・サセックス州など4州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月22日
-
【JAトップ提言2025】消費者巻き込み前進を JAぎふ組合長 岩佐哲司氏2025年1月22日
-
【JAトップ提言2025】米も「三方よし」精神で JAグリーン近江組合長 大林 茂松氏2025年1月22日
-
京都府産食材にこだわった新メニュー、みのりカフェ京都ポルタ店がリニューアル JA全農京都2025年1月22日
-
ポンカンの出荷が最盛を迎える JA本渡五和2025年1月22日
-
【地域を診る】地域再生は資金循環策が筋 新たな発想での世代間、産業間の共同 京都橘大学教授 岡田知弘氏2025年1月22日
-
「全日本卓球選手権大会」開幕「ニッポンの食」で応援 JA全農2025年1月22日
-
焼き芋ブームの火付け役・茨城県行方市で初の「焼き芋サミット」2025年1月22日
-
農のあるくらし日野のエリアマネジメント「令和6年度現地研修会」開催2025年1月22日
-
1月の「ショートケーキの日」岐阜県産いちご「華かがり」登場 カフェコムサ2025年1月22日
-
「知識を育て、未来を耕す」自社メディア『そだてる。』運用開始 唐沢農機サービス2025年1月22日
-
「埼玉県農商工連携フェア」2月5日に開催 埼玉県2025年1月22日
-
「エネルギー基本計画」案で政府へ意見 省エネと再エネで脱炭素加速を パルシステム連合会2025年1月22日