「企業から家計へ」所得還元見込む 農中総研が2017~18年度経済見通し2017年11月24日
日本経済は景気後退のリスクが見当たらず、景気改善は当面継続―。農林中金総研は11月20日、2017~18年度改訂経済見通しを発表した。「企業から家計への所得還元が強まり、消費持ち直しを下支えすることが見込まれる」としている。
国内経済は7~9月期の実質GDP成長率は年率1.4%とい7四半期連続のプラス成長になるなど、表面的にはよい数字だったが、民間最終需要は7四半期ぶりに減少するなど、実態はあまりよくなかった。ただし、高成長だった4~6月期からの反動の範疇内であり、「国内景気の改善傾向は維持されている」と見る。
先行きは輸出の増勢が続くほか、民間設備投資の自律回復の動きは継続すると思われる。また、人手不足感の高まりはいずれ賃上げを促し、消費持ち直しを下支えすると見込まれ、「18年度にかけて日本経済は堅調に推移する」と見込む。
一方、国内の物価上昇圧力は依然として鈍いことから、日本銀行は現行の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を当面継続するため、長期金利は「10年ゼロ%」という操作目標の近傍で推移すると予想している。
なお、世界経済は緩やかながら、着実に改善しており、米国・欧州・中特ともの先行き底堅く推移するとみられ、「日本の輸出には好材料」と予測している。
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