純利益前期比487億円減 日本公庫中間期決算2019年12月4日
(株)日本政策金融公庫が11月28日に公表した「令和元年9月中間期決算」は、当期決算における純利益は、前期比487億円減少し、42億円となった。
令和元年9月中間決算における純利益減少の主な要因は、中小企業事業の「信用保険等業務勘定」において純利益が前期比373億円減少し197億円になったためである。
日本公庫の令和元年度上半期の主な取り組みを見ると次のとおり。
◆民間金融機関との連携
日本公庫は、民間金融機関の補完を旨としつつ、多くの民間金融機関との連携を進めている。元年度は昨年度に引き続き、民間金融機関との連携を重点取組事項と位置づけ、新たなステージにおける取り組みとして、役員レベルおよび現場における対話の促進、日本公庫から民間金融機関への顧客紹介、協調融資商品の創設・活性化など(元年9月末時点で277機関と382の協調融資商品を創設)を推進した。
これらにより、元年度上半期の協調融資実績は1万4172件(前年同期比90%)、5801億円(同102%)となった。
◆事業承継支援の取り組み
中小企業・小規模事業者の経営者の高齢化が進む中、企業が培ってきた技術・ノウハウなどの貴重な経営資源が円滑に引き継がれるよう、事業承継に関する多様な資金需要に対応してきた。その結果、元年度上半期の事業承継関連融資の実績は4168件(前年同期比164%)、716億円(同171%)となった。
また、元年度上半期は、本部に事業承継支援の専門部署を創設し、経営者の意識喚起に取り組むとともに、後継者不在の小規模事業者と創業希望者などを引き合わせる「事業承継マッチング支援」を東京で試行的に開始するなど、円滑な事業承継に向けた支援を実施した。
◆セーフティネット需要への対応
日本国内に大きな被害をもらたした台風15号、19号などに対しては、被災地支店などにおいて特別相談窓口を設置するなど、被害を受けた中小企業・小規模事業者や農林漁業者などに対して、融資や返済の相談を迅速かつきめ細かな対応を実施した。
▽元年台風15号への支援の取り組み
台風15号関連実績は、11月17日時点で相談実績700件、融資実績171件、14億円となっている。
▽元年台風19号への支援の取り組み
台風19号関連実績は、11月17日時点で相談実績1065件、融資実績98件、12億円となっている。また、この災害については、11月25日に「令和元年台風第19号特別貸付」が創設され運用が開始されている。今後も引き続き、被害に遭われた事業者の資金繰りの円滑化および事業の復旧などに向け取り組む。
◆成長戦略分野などへの支援
▽創業や新事業への支援▽事業再生支援▽ソーシャルビジネス(NPO法人など)への支援▽海外展開支援▽農林水産業の新たな展開への支援を行っている。
農林水産業の新たな展開への支援の元年度上半期の農林漁業分野への融資実績は、4808先(前年同期比100%)、1703億円(同90%)となった。このうち、農業経営基盤強化資金(略称:スーパーL資金)の融資実績は、3306先(前年同期比98%)、1174億円(同104%)となった。
元年度上半期の新規就農者や異業種からの農業参入企業などへの融資実績は、1142先(前年同期比93%)、237億円(同77%)となった。
◆総合力発揮への取り組み
日本公庫は、国民生活事業・農林水産事業・中小企業事業の3事業が持つさまざまな経営資源(全国152の支店網、顧客層、ノウハウなど)をフルに活用し、総合力を発揮したサービスの向上に取り組んでいる。
国の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の下、各地方自治体が策定した「地方版総合戦略」の実施・推進にあたっては、民間金融機関と連携した融資支援のほか、全国152支店のネットワークを生かしたUIJターンセミナーの開催支援など、地方版総合戦略を支援している。
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