2020年度▲5.0%成長 2年連続マイナス-農中総研2020年5月27日
農林中金総研はこのほど2020~21年度の経済見通しを発表した。コロナ禍で内外経済は劇的に悪化しており、2020年度の日本の経済成長率は▲5.0%と見通した。
IMF(国際通貨基金)が4月に発表した世界経済見通しでは20年の世界全体の成長率は前年比▲3.0%(19年実績は2.9%)、世界貿易数量の伸びも同▲11.0%(同0.9%)と、いずれも11年ぶりの減少予想となった。IMFは大恐慌以来の最悪の景気後退となる可能性も指摘した。ただ、パンデミックが20年後半には収束に向かうことを前提にすると、21年には政策効果もあり経済活動が正常化に向かい5.8%成長になるとしている。
日本経済も経済活動は大幅に制限され1~3月期の実質GDPは内外需とも不振で、前期比年率▲3.4%と2四半期連続でマイナス成長となった。
4~6月期は新型コロナウイルス感染症拡大にともなう景気の下押し影響が本格的に出ることから、農中総研によれば前期比年率▲19.2%と未曾有のマイナス成長で3四半期連続マイナスとなることが見込まれるという。
7~9月期以降は主要国での感染拡大がおおむね収束に向かうという前提に立てば、補正予算編成などによる政府の経済政策もあって経済が再稼働し始め景気は回復に向かうが、第2、第3波の感染拡大を防ぐため、さまざまな制限が段階的に解除され、さらに「新しい生活スタイル」が求められていくため年度内の回復ペースは緩慢と想定されるという。また、21年1~3月期は感染再拡大の防止のために経済活動が再び抑制される可能性もある。
こうした状況のもと、2020年度の経済成長率は▲5.0%と2年連続のマイナス成長を見込む。
21年度にかけては世界全体で持ち直しの動きが継続し、延期された東京オリ・パラが開催されれば夏場にかけて成長ペースが一旦加速し、その後は調整はあるものの成長経路に回帰する動きは継続するという。こうした動向を前提に21年度は2.7%成長と予測。回復するものの「鈍いリバウンド」と見込んでいる。
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