経常利益1229億円 前年度並み-農林中金2020年5月28日
農林中央金庫は5月27日、2019年度決算を発表した。資金運用収益は減少したものの、外貨調達費用も減少したため安定的な収益を確保。経常利益は前年度▲16億円の1229億円(連結)を確保した。
決算発表する奥和登理事長(左)と大竹和彦専務
資金運用収益は前年度より▲646億円の1兆2466億円となり経常収益は▲1876億円の1兆5445億円となった。
一方、経常費用は▲1859億円の1兆4216億円となった。このうち資金調達費用は▲1139億円の1兆1551億円となった。農林中央金庫の市場運用資産の51%がドル建て。そのため米国の金利低下によって円をドルに替える外貨調達利回りが低下、外貨調達費用が減少した。この結果、経常利益は1229億円で前年度▲16億円と前年度並みを確保した。
総資産(連結)は105兆4820億円。国内外で貸出が伸びて貸出金は1兆4458億円増えて20兆588億円となった。リスク管理債権比率は0.19%(単体ベース)と低水準比率を更新した。
有価証券は▲1兆1254億円の54兆5332億円と売却によって減少した。有価証券評価益は2772億円増えて2兆3471億円となった。債権の金利低下が影響した。農林中央金庫の市場運用資産のうち約9割を格付けでA格以上が占める。
県信連やJAなどからの預金は▲1兆4134億円の66兆4316億円となった。預金の減少は県信連やJAでの資金運用の要因だという。自己資本比率は総自己比率が3.37%増えて23.02%と引き続き高水準となった。
奥和登理事長によると今期の決算には新型コロナの影響はほぼなかったという。今後については「非常に不確実性が高い年度。金融マーケットがどう動くかなどいろいろなパラメーターがあるなかでいかに財務運営をしていくか。中期経営計画で掲げた経常利益1000億円から1800億円を強く意識して対応していきたい」と述べた。また、感染拡大で影響が出ている農林水産業の現場に、目づまりなく金融も含めたサービスが提供できるようにするとともに、収束後は「強い農業と頑健な食料供給のサプライチェーン」づくりが課題になるとの考えを示した。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(130)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年2月22日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(47)【防除学習帖】第286回2025年2月22日
-
農薬の正しい使い方(20)【今さら聞けない営農情報】第286回2025年2月22日
-
全76レシピ『JA全農さんと考えた 地味弁』宝島社から25日発売2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年2月21日
-
農林中金 新理事長に北林氏 4月1日新体制2025年2月21日
-
大分いちご果実品評会・即売会開催 大分県いちご販売強化対策協議会2025年2月21日
-
大分県内の大型量販店で「甘太くんロードショー」開催 JAおおいた2025年2月21日
-
JAいわて平泉産「いちごフェア」を開催 みのるダイニング2025年2月21日
-
JA新いわて産「寒じめほうれんそう」予約受付中 JAタウン「いわて純情セレクト」2025年2月21日
-
「あきたフレッシュ大使」募集中! あきた園芸戦略対策協議会2025年2月21日
-
「eat AKITA プロジェクト」キックオフイベントを開催 JA全農あきた2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付、6月26日付)2025年2月21日
-
農業の構造改革に貢献できる組織に 江藤農相が農中に期待2025年2月21日
-
米の過去最高値 目詰まりの証左 米自体は間違いなくある 江藤農相2025年2月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】有明海漁業の危機~既存漁家の排除ありき2025年2月21日
-
村・町に続く中小都市そして大都市の過疎(?)化【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第329回2025年2月21日
-
(423)訪日外国人の行動とコメ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月21日
-
【次期酪肉近論議】畜産部会、飼料自給へ 課題噴出戸数減で経営安定対策も不十分2025年2月21日
-
「消えた米21万トン」どこに フリマへの出品も物議 備蓄米放出で米価は2025年2月21日