コンサートでピアノを弾く松下奈緒

女優、ミュージシャンとして活躍する松下奈緒は現在、コンサートツアー「ＪＡバンク presents 松下奈緒 コンサートツアー2020"PLAYLIST"」を展開中。9月19日の大阪・東大阪市文化創造館 Dream House大ホールを皮切りに、22日に地元・兵庫の神戸国際会館こくさいホールでの公演を経て、10月24日には東京・かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホールで開かれた。

この日、真っ赤なドレス姿で登場した松下は、ドラマ「トットちゃん！」のメインテーマ曲「Lovin' You」でスタート。最初のMCでは、コロナ禍の中、検温・消毒・換気・客席の間隔など、万全な対策の中で開催されたことに対して、「こんな時だからこそ音楽で元気になっていただきたいと、自粛期間中もコンサートのことで頭がいっぱいでした。心配もありましたが、開催できてよかった。今日、ソーシャルディスタンスを保っているでしょう？ でも心の距離は"密"。心を一つに楽しい時間を過ごしたいと思います」とコンサートを開催できた喜びを語った。

コンサートは、「プレイリスト」をテーマに、松下奈緒がずっと好きで聴き続けている曲、ピアニストとして影響を受けた曲、松下自身が関わったドラマや映画、CMなどの楽曲、世界各国を訪れた時にインスピレーションを受けて作った楽曲など、オリジナルとカバーを織り交ぜたセットリストが組まれた。

曲を演奏する前後に、その楽曲についてのエピソードが聞けるところも大きな魅力のひとつ。ＪＡバンクのイメージソング「みんなのあした」の前に「優しくて温かくてお客さまに寄り添うイメージがあるので、この曲もあったかい気持ちで書いた。安心感のある曲になったかなと思います」と話した。また、ユンケルプレミアムシリーズの新CMの曲「Shiny Blue」ではイチロー氏との撮影の様子を話し、"朝ドラ"メドレーの前には「ゲゲゲの女房」以前に「ちりとてちん」のメインテーマ曲にピアニストとして参加していたことなどのエピソードを明かした。

ほかにも、洋楽のカバーではデヴィッド・フォスターの「Winter games」を取り上げ、「小学一年の時、関西のFMラジオの交通情報で流れていた曲で、『なんてカッコいい曲なんだろう』と思って、いつか弾いてみたいという願望があった。今日は長年の夢を叶えたいし、皆さんにも好きになってもらいたい」と、幼少期の思い出と絡めた話も披露。さらに、大好きなディズニー映画の中からプリンセスもののテーマをメドレーで聴かせ、小学校の卒業式の後で行われた謝恩祭で演奏して安室奈美恵の「CAN YOU CELEBLATE?」など10代の頃にハマっていたJポップの中から10曲を厳選して「ノンストップ青春メドレー」として演奏した。

「こんな時だからこそいろんなことを頑張っていかなければいけないと改めて思いました。大変な日々は続くと思いますが、いつか、日常が戻ってくることを願って、『こんな時期だったけど、松下奈緒のコンサートに行ったなぁ』と、今日の日を忘れないでください。そしてまたツアーのどこかで皆さんと楽しい時間を過ごせる日を夢見ながら頑張りたいと思います。またお会いしましょう！」と呼びかけた。
この日唯一のボーカル曲「うんとしあわせになろう」では優しい歌声を聴かせて、コンサートを締めくくった。

今年のツアーは、11月21日の東京・Bunkamuraオーチャードホールが最後となる。