防災・減災へ「もしもプロジェクト渋谷」スタート こくみん共済 coop2021年3月11日
こくみん共済coop〈全労済〉は、拠点のある渋谷区の協力を得て、防災・減災の普及啓発活動『もしもプロジェクト渋谷(MOSHIMO PROJECT SHIBUYA)』を始動。キックオフイベントとして、プロジェクト発表会とトークセッション「もしも会議」を3月6日にオンラインでライブ配信した。
こくみん共済 coop は戦後、人と人とのたすけあいの組織(生活協同組合)として、火災共済から事業を始め、万一の災害から命と暮らしを守る防災・減災活動にも取り組んできた。
東日本大震災から10年を迎える今年は、これまでの災害対応の中で得た教訓と経験をもとに、さらなる防災・減災の普及とネットワークづくりを進めるくため、「防災・減災プロジェクト」をスタート。災害への備えを「もしもの前」「もしもの備え」「もしもの後」の3つのフェーズで捉え、「もしもの前」では防災・減災の普及を啓発。「もしもの備え」では共済の普及促進と災害時の迅速な対応、「もしもの後」では復旧・復興・生活再建に向けた取り組みを展開する。
「もしもの前」の活動のひとつとして、渋谷区で展開する活動が「もしもプロジェクト渋谷」。首都直下地震が起きた場合、多くの交通機関が止まり、帰宅困難者は約500万人、避難生活者は約300万人にのぼり、食糧も不足するという被害予測があり、予期せぬ災害の発生で75%の人が思考停止に陥り、適切な行動ができなくなるといわれている。同プロジェクトは、暮らす、働く、遊ぶなど、多様な人が集う渋谷で、一人ひとりが「もしも」の日のために何ができるかを考え、備えることで、レジリエントな街づくりをめざす。
キックオフイベント『もしも会議』オンラインライブ配信
キックオフイベントとしてオンライン配信したプロジェクト発表会とトークセッション「もしも会議」では、こくみん共済 coopの﨑田弘専務理事が「堅苦しいイメージではなく、多くの人に参加してもらえる取り組みにしていきたい」と、プロジェクトに寄せる想いを伝えた。
また、渋谷未来デザイン理事・事務局次長の長田新子氏とDE Inc. Co-CEOの牧野圭太氏がプロジェクトの全体像について説明。後援する渋谷区の長谷部健区長が加わり、渋谷区での防災・減災の取り組みをトーク形式で紹介した。
また、防災・減災の専門家である危機管理教育研究所代表の国崎信江氏と、社会派クリエイティブディレクターとして活躍するarca 代表の辻愛沙子氏を迎え、「もしも、渋谷で大地震が起きたなら」というテーマでトークセッションを実施。渋谷区が行っている取り組みに触れながら、街中の壁面などに避難場所の方向を矢印で示すアート「アロープロジェクト」に対し、同会の﨑田専務理事が「こうしたクリエイティブのチカラも使用した、新しい防災モデルを多様性の街、渋谷からつくることができれば」と発言すると、辻氏からは、「自分が生み出すクリエイティブが、社会のため、誰かのため、自分のためになるということは挑戦しがいがある」「"もしも"という言葉は、その先に決められた答えがあるわけではなく、自分で考える挑戦的な言葉でいい」「(防災・減災は)自分達のアイデアや日常の延長線にあると改めて感じた」などの意見が出された。
国崎氏からは、同プロジェクトが取り組む「もしもリーダーの創出」について、「いざというとき、みんなが他の人を導けるリーダーになっていくためには、日頃からイメージすること(災害が起きたらどうなるか、どう行動するか)が大切。今回のプロジェクトに参加してみることにより、まず興味を持つきっかけができると期待している」との意見が寄せられ、長谷部区長は「こうして民間団体にご協力いただけることは心強い」と話した。
最後に﨑田専務理事は「より多くの人に参加していただくために、本日のような楽しさと広がりをもった議論が大切。ディスカッションを重ねながら、プロジェクトを進めていきたい」と述べて締めくくった。
今後の活動は、3月11日に黙祷プロジェクトを実施。渋谷では、ミヤシタパーク屋上から2時46分に黙祷をささげるほか、防災・減災に関するトークイベントを予定。その様子は、ミヤシタパーク屋上に設置するビジョンで映し出し、岩手県とも中継する。
また、5月1日~14日に「MOSHIMO WEEK SHIBUYA」を実施。渋谷の街全体を使い、防災・減災を体験できる様々な取り組みを展開する。ポスター、フラッグなど震災への意識を高めるサイネージ、防災・減災を学ぶ展覧会「もしも展」や、防災グッズを集めたセレクトショップ「もしもストア」などを展開予定。
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