農業者の温室効果ガス削減努力を支援 農林中金と農研機構2022年3月11日
農林中央金庫と農研機構は農業者の温室効果ガス削減の努力が適切に反映させる仕組みを創出するため3月9日に連携協定を締結した。
パリ協定の実現に向けて、政府は2050年の温室効果ガス実質ゼロを宣言しているが、食品企業も脱炭素に向け温室効果ガス削減目標を打ち出し、そのなかで仕入れる農産物について生産者側に温室効果ガス削減の実行を呼びかけるなどの動きも出てきている。
しかし、農業者が温室効果ガスの削減技術や手法にアクセスする機会は限られている。また、たとえば稲作では中干期間を長くしたり、秋耕ことで水田からのメタン発生を抑えることが知られているが、それに取り組んだとしても、既存の温室効果ガスの算定方法は、品目ごとに排出原単位が固定化されているため、生産現場がいくら努力しても、仕入れ側が温室効果ガス削減をしようとするなら調達量を減らさない限り削減されないことになる。
これが電気使用量を30%減少させる省エネ機器であれば、電気1キロワットあたりのCO2排出量は30%減るという計算がされる。
しかし、水田で中干しをした米や、げっぷを減らす飼料添加物を与えた牛からの牛乳にはそうした効果の算定式がない。評価方法がなければ削減技術の普及のボトルネックとなる可能性がある。
こうした問題に対応するため、農林中金と農研機構は農業者の温室効果ガス削減の努力を適切に反映させる仕組みを創出すると同時に、温室効果ガス削減技術の普及、持続可能なビジネスモデルへの移行をめざし、連携協定の締結に合意した。
連携協定の内容は、▽温室効果ガスの削減努力が適切に反映された排出原単位の追加・設定、その普及に関すること、▽温室効果ガスの削減技術の普及に関すること、▽J-クレジット制度の普及に関することなど。
農林水産分野のおける温室効果ガス排出量は世界全体の4分の1を占めるといわれている。
農業現場での温室効果ガス削減に科学的にアプローチできる農研機構と、生産現場から食品企業まで川上から川下までのネットワークを持っている農林中金が連携することで「農業と食品産業の地球温暖化問題の解決に取り組んでいく」と両者は発表した。
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