「農業をしっかり支える」 22年度減益決算も 農林中金 奥理事長2023年5月25日
農林中金の奥和登理事長は5月24日に東京・大手町で開いた2022年度(2023年3月期)決算の記者会見で、22年度決算は経常利益が8割減となるなど大幅な減益決算となったものの、「肥料などのコスト高で(農業の)生産現場は苦労をしている。価格転嫁も進んでおらず、農林水産業の踏ん張りどころだ。金融、非金融の面からしっかりと支えることが、農林中金の使命だと思っている」と述べた。
会見する農林中金・奥理事長
2022年度決算説明資料によると、JAグループなどが設立した「アグリビジネス投資育成(株)」を通じた農林漁業・食農関連企業への出資実績は。2023年3月で累計694件で出資額148億円、22年3月時点で累計650件125億円だったので、今年度は出資額で18%増だ。食農関連企業向けの出資が増えた。
農林水産業者所得の増加に向けた担い手向けのコンサルティング活動も2022年度は積極的で、JAバンクと連携し担い手の経営課題に対して行ったコンサルティング活動は、2021年度は186件、2022年度は301件だった。
農林中金は2019年度~23年度の中期経営計画で、「変化の時代における農林水産業をけん引」などを掲げ、さまざまな取り組みを実践してきた。奥理事長は「中計を立てたときはウクライナ紛争が起きておらず、農業・水産現場がこれだけ苦しくなると全く予想していなかった。一丁目一番地の取り組みを掲げたということだったが、今は環境が変わり必須の取り組みだと思っている」と話した。 その上で「まいた種が芽が出た部分があるという段階で、成長して花となり実となるまで先は長い。JAバンクと手をつなぎ、しっかりやっていく」との決意を示した。
また食料・農業・農村基本法の見直しに関連、食料安保について「肥料、飼料は輸入に頼り、私の言葉でいえば、日本は砂上の楼閣の上での国産だ。肥料などを少しでも国産とするには一定の投資が必要で、そこは金融の出番だ」と述べた。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日