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生命総合共済の新規契約件数は伸び悩み LA数の減少など影響 JA共済連の令和4年度決算2023年7月27日

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JA共済連の令和4年度決算が、7月27日に開かれた通常総代会で承認された。生命総合共済の新規契約件数は、LA(ライフアドバイザー)数の減少などの影響で伸び悩み、前年度より約15%減少した。また、共済金支払いのうち事故共済金は、新型コロナの感染拡大や福島県沖地震などで前年度より22%増えて1兆2887億円に上った。基礎利益は、支払い共済金の増加などで前年度から1422億円減少して3724億円だった。

JA共済連 決算記者会見.jpgJA共済連の柳井二三夫理事長(左から2人目)などの記者会見

令和4年度は「JA共済3か年計画」の初年度で、JA共済連は重点取組事項として、①新たな生活様式への対応の加速②共済事業の長期安定的な展開③長期にわたり契約者が安心できる土台・スキームづくりを掲げて取り組んだ。
「ひと」分野保障では、認知症共済を新設、「いえ」分野では、ハザードマップなどを活用した防災情報の提供や家財保障を中心とした保障点検などに取り組んだ。
また、契約者・組合員に寄り添う活動の実践に向けて、対面での3Q活動を基本としつつ、非対面ツールを活用した活動も展開し、3Q活動実施数は604万8142人に上った。
さらにLA体制の縮小やひと保障を中心とした推進実績の低下といった課題が顕在化したことから、JAと連合会が一体となってJAごとの課題に応じた改善策の策定・実践に向けて令和5年3月から「共済事業体制総点検運動」に着手した。

令和4年度の決算概要によると、新規契約件数は、生命総合共済(生命・医療系・介護・生活障害・特定重度疾病・年金共済合計)が約135万6000件で、対前年度比84.7%にとどまり、保障共済金額は約2兆3600億円(同75.0%)となった。このうち新たに設けられた認知症共済は約5万5000件、保障共済金額は1154億円だった。

また、建物更生共済は約72万5000件で対前年比84.0%、保障共済金額は10兆8776億円(同83.1%)だった。この結果、生命総合共済と建物更生共済の合計は、保障共済金額13兆2371億円(同81.5%)となり、前年度を2割近く下回った。自動車共済は、約812万件(同99.9%)でほぼ前年度並みだった。

JA共済連は、新規契約件数の減少について、JA共済の普及活動に取り組むLAが1年間で全国で826人(約4.4%)減少したことや満期共済金が少なかったこと、新型コロナの取り扱い変更など複合的な原因が影響したとみている。

この結果、生命総合共済・建物更生共済合計の保有契約高(保障共済金額)は224兆3243億円(前年度比96.9%)となった。解約・失効率は、生命共済2.57%、建物更生共済2.31%だった。

また、共済金の支払いは、事故共済金が1兆2887億円(前年度比122.0%)、満期共済金が1兆8199億円(同66.0%)で、総額で3兆1086億円(同81.5%)となった。
事故共済金の増加については、新型コロナの感染拡大による入院共済金の増加や、福島県沖地震(令和4年3月)だけで約1500億円に上るなど自然災害共済金の増加、コロナの外出自粛緩和で事故が増加したことに伴う事故共済金の増加が要因としている。

総資産は57兆6870億円(前年度比99.1%)で、うち運用資産は55兆3776億円(同98.8%)となった。

経常利益は1222億円(同71.8%)で、当期剰余金は715億円(同69.5%)となった。

主な経営指標のうち、支払余力(ソルベンシー・マージン)比率は、南海トラフ地震等の地震研究の最新知見を巨大災害リスク算定に反映したことなどから1095.4%(前年度末比261.9ポイント減少)となった。

基礎利益については、支払い共済金の増加や為替ヘッジコストの増加などにより、前年度から1422億円減少して3724億円となった。

総代会後の経営管理委員会で再任された柳井二三夫理事長は記者会見で、「共済事業の原点に立ち返り組合員などの生命と財産を守る活動を続けていく。総点検運動を通して個々のJAの課題を把握し、しっかり下支えして寄り添った活動を展開したい」と述べた。また、4年度の基礎利益の減少や5年度の見通しについては「業績の予測は災害次第という面もあり、見通すのは難しい。今年度は運用環境での為替の問題やコロナ・自然災害の負担で減少したが、われわれ自身は基礎利益をターゲットにするのではなく、結果として契約者のみなさんのお役に立てたと受け止めている」と述べた。

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