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共済金支払い3.6兆円 基礎利益 前年度比1126億円増の4851億円 JA共済連2024年8月1日

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JA共済連は7月31日の通常総代会で2023年度決算を承認した。2023年度は地震や風水害に関する支払共済金が減少したことなどから基礎利益が前年度比1126億円増の4851億円となった。

新契約 保障金額 前年上回るも件数は減

生命総合共済の新契約件数は105万4000件で対前年度比77.7%、保障共済金額は2兆4239億円で同102.7%となった。JA共済連によると、23年度は新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことから保障ニーズが下がり件数の減少につながったという。ただ、掛金率の変更で1件当たりの保障金額が大きく、金額ベースでは前年を上回った。

建物更生共済の新契約件数は61万2000件で同84.5%、保障共済金額は9兆286億円で同83.0%となった。件数、金額とも前年度より低下したのは、現在提供されている建更の普及が一巡したことなどが要因だという。

生命総合共済と建物更生共済の合計の保障共済金額は11兆4525億円で同86.5%となった。

自動車共済は808万件(同99.5%)、連合会が収納した共済掛金は2644億円(同99.9%)となった。

合計の保有契約高(保障共済金額)は216兆9652億円(同96.7%)となった。

共済金の支払いは事故共済金が1兆1751億円(同91.1%)、満期共済金が2兆4670億円(同135.5%)となり、総額は3兆6422億円(同117.1%)となった。

経常利益は558億円(同45.6%)となり当期剰余金は483億円(同67.6%)となった。

支払余力(ソルベンシー・マージン)比率は前年度から15.6ポイント減の1079.8%。基礎利益は同1126億円増の4851億円となった。実質純資産額は同4965億円減の13兆9106億円となった。

組合員・利用者本位で

23年度は7月末までに全国すべてのJAで共済事業体制総点検運動を実施し、点検で明らかになったJAの個別課題についてはJAと連合会が一体となった協議を進めたほか、多くのJAで共通となっているライフアドバイザー(LA)不足、スマイルサポーターの育成などの課題に継続して対応を進めていくことにしている。

また、生命分野を中心とする保障提供力の強化に向け、新設の「定期生命共済(逓減期間設定型)みちびき」などの普及で、「LA一人当たりの生命万一基盤」実績が前年度を上回る結果となった。

年に一度は全契約者の近況確認を行う「3Q活動」の実施数は前年度を52万人上回る657万人となった。

23年度は改めて組合員・利用者本位の業務運営に力を入れ、連合会のFD(フィデューシャリー・デューティー:顧客本位の業務運営)の取り組みとして「組合員・利用者本位の業務運営にかかる取組方針」を策定し今年2月にJA共済ホームページで公表した。今年度はJA段階のFD取組方針の策定や浸透を支援している。

JA共済のLA数はピーク時には2万3000人だったが、現在は1万6350人となっている。JA職員数の減少とともにLAも減っている。経験年数が少ないLAも増え、その育成が課題となっている。

また、窓口業務のスマイルサポーターが電話を通じて「3Q訪問活動」をするなどの取り組みや部門を超えて連携し、組合員・利用者に「必要な保障を届ける」体制づくりが課題となっている。

村山美彦新理事長は総代会後の記者会見で「事業環境の転換期を迎えているなかでJA共済の舵取りという重責に身が引き締まる思い。いかなる環境であっても永続的に安心と満足を提供していきたい」と語った。

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