農林中金がグリーンボンドに300百万豪ドル投資 生物多様化の保全啓発に寄与2024年12月6日
農林中金は12月5日、国際金融公社が発行するグリーンボンド(環境問題への活動に資金を集める債券)に総額 300 百万豪ドル(約303億円、10年間)の投資を実行したことを公表した。
同債券は「生物多様性の保全の啓発」を目的に、国際金融公社が初めて発行した。農林中央金庫は全投資家のなかで最大規模の投資額となる。 国連が提唱する 17 の持続可能な開発目標(SDGs)のうち、15の「陸の豊かさを守ろう」の達成に貢献し、投資を通じてSDGs 達成に取り組む。
現在、世界的に自然資本・生物多様性を回復基調に乗せる「ネイチャーポジティブ」の機運が高まっている。今年年10月21日から11月1日にコロンビアのカリで開催された「生物多様性条約(CBD)」の第16回締約国会議(COP16)は過去最大規模の参加者数となり、「昆明・モントリオール生物多様性枠組」(GBF)を着実に実施するための具体的な仕組みや今後の進め方について議論された。
国際金融公社は22年に生物多様性ファイナンスの世界初のガイド、24年10月にはインパクト報告のための補助ガイダンスを公表。市場拡大に主導的な役割を果たし、同債券の資金使途もこのガイドに沿ったものとなっている。
農林中央金庫は21年に定めたパーパス(存在意義)から、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)のメンバーとしての提言開発や、企業における事業活動のネイチャーポジティブ転換を促進・支援することを目的とした国内金融グループ4社によるアライアンスの発足・参画などに取り組んできた。24年3月には気候と自然の恵みを受ける「食と農」のサステナビリティを支えるため、同金庫として初めて気候と自然を一体的に捉えたレポートも発行した。これらの取り組みを加速するため、同債券への投資を通じて国際金融公社とともに世界における生物多様性の保全やその重要性を啓発していく。
また、同金庫は環境・社会課題への対応として、30年度までにサステナブル・ファイナンスの新規実行額を10兆円とする目標を掲げている。
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