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【インタビュー】北林太郎農林中金理事長 食と農を通じ信頼醸成2025年4月17日

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4月1日、農林中央金庫の新理事長に北林太郎氏が就任した。2月の記者会見では「次の100年に向けて歩み出しを始めたところ、この難局をチャンスとして捉え会員、取引先、ステークホルダーの期待にしっかり応えられる新しい農林中金を作っていきたい」と述べた。就任を機に改めて抱負などを聞いた。

北林太郎農林中金理事長北林太郎農林中金理事長

収益源の多様化で足固め

--理事長就任にあたっての抱負を聞かせてください。

前年度決算は大きな赤字を計上する見込みであり、JAの組合員、利用者や県連の役職員に大変ご心配をおかけしていることに、まずはお詫びを申し上げます。

それを踏まえて、今後、重視したいことは3つです。

1点目は、大きな赤字を計上したことをしっかり反省して、稼ぐ力を強化することです。これは1丁目1番地だと思っています。農水省の有識者検証会でも投資先の偏りが指摘されており、改めて収益源の分散化、多様化をしっかりと進めていきます。

2点目は、やはりもう一度、原点回帰をするタイミングだと思っており、具体的には農業者の所得増大も含む農業の持続的発展、地域の持続的発展に系統組織の一員としてしっかり役割を果たしていきたいということです。

現場と向き合い貢献

地政学リスクを含めて食料安全保障の確保は待ったなしの課題ですが、一方、農業の構造的な問題として担い手の高齢化と減少に加え、生産資材価格の高騰で採算性がとれず、さらに自然災害が相次ぎ、農業の現場は厳しくなることはあっても、なかなか環境が改善しません。

ただ、社会的には食や農業の可能性に期待が高まっており、我々もしっかりと農業の現場と向き合っていこうということです。

3点目は、大きな赤字を出したことによってJAの組合員、利用者、JA役職員の方々の信頼を大きく損ねたと思っており、今申し上げた稼ぐ力の強化や、原点回帰としての農業への貢献、これを通じて信頼を1日も早く回復していきたいということです。

--24年度決算と25年度の見通しは?

24年度決算は1.9兆円程度の赤字を見込んでいます。

協力得て黒字回帰

25年度については、まさに米国のトランプ大統領の動きがあり、金融市場が大きく変動しているということですが、収支構造は会員から24年度に増資していただいた結果、収支の足を引っ張るような低利回りの米国債等の売却は10兆円を超える規模で進めてきました。それが一旦完結ましたから、2月の記者会見で25年度は300億から700億円の黒字の見込みと申し上げましたが、その見通しは変えていません。

--農水省の有識者検証会の提言にはどう対応していきますか。

農水省の有識者検証会の指摘は真摯に受けとめて対応していきたいと考えています。

指摘されたのは、今回の赤字につながった財務運営に関することと、農林水産業、もしくは食料システムに対する投融資のあり方です。

財務運営については、ガバナンスの問題として、まず意思決定のプロセスが適切だったかどうか、2番目として理事構成のあり方も含め外部の識見をどうガバナンスのプロセスに入れていくのか、3番目は、特定の投資対象に偏らず収益の分散化が必要ではないかということです。

一方、農林水産業、あるいは食料システムへの対応については、構造改革や現場のニーズを受け止めて積極的に投融資で対応すべきであるということでした。

このうちガバナンスについては、我々は財務と投資が一体となって運営するほうが、より効率的に投資決定ができるという考えからポートフォリオマネジメント会議という1つの会議で決定していました。

ただ、金利の急上昇やコロナ禍など、前提となる経済、金融情勢ががらりと変わってしまうと、財務運営と投資執行があまりにも近すぎたため牽制が効かなかったというのが今回の反省点です。

今後は財務戦略と投資執行についてガバナンスを分離し、それぞれの責任範囲と権限を明確にして、一定の牽制関係が働くようなかたちにしていきます。

2点目については、同質的な役員による判断が意思決定の遅れにつながった可能性があるなか、市場運用や財務運営に精通した外部の方を招き、非常勤の員外理事として入っていただくことを検討します。ただ、農林中央金庫法の改正を待たなくてはなりませんから、それまでは新たに設置する財務戦略委員会に外部の方を招く方向で検討を進めています。第1四半期には人選を固めて実際に仕組みを動かしていきたいと思っています。

--農林水産業、あるいは食料システムへの投融資の今後の取り組みはどう進めていきますか。

多角的に農業支援

融資については、やはり農業法人の規模拡大が進むなか、たとえば県をまたいで大規模化されている法人も出てきましたから、JAや信連との連携してではありますが、農中としての役割があるのではと考えています。また、生産関連施設の老朽化が相当進み、更新時期を迎えていますが、思った以上に工事費や設備設備投資が嵩んでいることも聞きます。これも関係のみなさんと連携して、全国段階として役割を発揮する場面もあるのではないかと思っています。
 それから、将来的にその地域の中核の担い手になるような、潜在的な農家のみなさんに対応する対応も、たとえば経営管理のサポートなど、融資以外の取り組みができないかと考えています。

それから農中は加工、流通、小売など企業取引を通じて、生産現場の先も含めた食農バリューチェーンに対応することが求められています。そこにはそれぞれに課題があると思いますが、実はつながっているといった部分もあし、そこにコーディネーター的に入っていくこともあると考えています。

たとえば、昨年は「インセッティングコンソーシアム」を設立しました。例えば食品産業が脱炭素の取り組みを進めたいと考えているとして、そこが使う農産物や原材料のCО2の排出量のデータが欲しいことになれば、私たちが生産現場としっかりマッチングを担い、データも含めて農産物を提供することで、より生産者の手間が正しく評価され、そういった価値に対して正しく価値を払っていただくといったかたちで川上から川下をつなぐ。それぞれの抱えているニーズや課題をどううまく仲介していくか、ということにも全国機関としてチャレンジを続けていきたいと考えています。

(きたばやし・たろう)1971年1月東京生まれ。94年東大・経済卒、入庫。企画管理部副部長、秘書役、総務部長、2021年常務執行役員、2023年理事兼常務執行役員、2024年代表理事兼常務執行役員。

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