金融共済:年頭あいさつ2015
河野 良雄 氏(農林中央金庫 代表理事理事長)2015年1月1日
平成27年の年始にあたり、JAグループから農業協同組合新聞・JAcomに寄せられた年頭のごあいさつを紹介します。
JA貯金100兆円達成に向けて
謹んで新年のご挨拶を申しあげます。
平素は、当金庫およびJAバンク業務に格別のご支援・ご協力をいただきまして、厚く御礼申しあげます。
平成27年は当金庫にとり、現行の中期経営計画の最終年を迎える重要な年となります。本中期経営計画においては、創立100周年を見据えて「農林水産業と食と地域のくらしを支えるリーディングバンク」という将来像を掲げており、JA貯金100兆円達成という目標を含め、この実現に向けて様々な施策に取り組んでいるところです。
まず、震災復興への対応につきましては、「復興支援プログラム」に基づき、各種支援策を継続しています。被災地の多くでは営農・営漁が再開され、圃場や漁港後背地の整備も進展しつつありますが、本格復興は未だ道半ばの状況にあります。
足元では、担い手の育成や大規模化等、復興に向けた新たな取り組み・挑戦が見られており、今後も行政・民間による継続的な支援が必要とされています。このような被災地の現状に対応するため、被災地に寄り添う姿勢を持ち続けるとともに、引き続き復興支援プログラムの利活用を通じた多面的な支援に取り組んでまいりたいと考えています。
次に、農林水産金融の機能強化につきましては、農林水産業のメインバンクとして、地域の農林水産業の担い手支援、事業力強化への支援、地域活性化への支援を3つの柱として掲げ、幅広い取組みを展開しています。
昨年度設立した6次化ファンドにおいては7件、今年度設立した農村漁村再エネファンドにおいては2件、それぞれ具体的な案件への投資が実現しています。
また、全国連と連携しながら、農業者の所得増大と持続可能な農業経営の実現のため、輸出、6次産業化、担い手の経営サポートなどの総合的な支援を実施する、「農業所得増大・地域活性化応援プログラム」を創設することといたしました。
昨年3月に設立した農林水産業みらい基金につきましても、地域の農林水産業者による創意工夫にあふれたチャレンジを後押しすべく、平成26年度の助成対象事業6件、総額6億4000万円が決定されたところです。今後も引続き、地域の農林水産業の更なる発展に貢献してまいりたいと考えています。
また、継続的な取組みとして、系統信用事業の強化・拡大を目指して、経営管理態勢の強化、業務インフラの構築・運営、そして系統人材開発の取組みにも注力しています。
我々を取り巻く環境は、農協改革や金融規制強化・制度変更に限らず、あらゆる分野で想定以上のスピードで大きく動いています。
特に、農協改革につきましては、去る11月にJAグループの自己改革案が公表され、予断を許さない状況が続いています。このような環境だからこそ、協同組合ならではの役割・機能を発揮しつつ、皆さまから安心・信頼される金融機関・組織を目指していくとともに、農林水産業・農山漁村の振興に貢献する取組みを、役職員一同一丸となって進めてまいる所存です。
皆さま方の、より一層のご理解・ご協力をお願い申しあげるとともに、今年一年のご健勝とご繁栄をお祈り申しあげ、新年のご挨拶とさせていただきます。
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