人事2024 左バナー 
JA全農人事情報
左カラム_病害虫情報2021
新聞購読申込 230901
左カラム_コラム_正義派の農政論_pc
左カラム_コラム_米マーケット情報_pc
左カラム_コラム_地方の眼力_pc
左カラム_コラム_食料・農業問題 本質と裏側
左カラム_コラム_昔の農村・今の世の中_pc
左カラム_コラム_花づくり_pc
左カラム_コラム_グローバルとローカル_pc
左カラム_コラム_TPPから見える風景_pc
左カラム_コラム_ムラの角から_pc
ヘッダー:FMC221007SP
FMCプレバソンPC
FMCプレバソンSP

「雨にも負けず塩にも負けず」環境変動に強いイネを開発 島根大学・赤間一仁教授インタビュー2024年7月16日

一覧へ

島根大学の赤間一仁教授らのグループがかん水、塩害など環境ストレスに強いイネの開発に成功した。ゲノム編集技術を使ってGABA(ギャバ)を増やし、環境ストレスにさらされた際も生存率が上昇することを確認した。注目の研究の動機や意義、今後の課題について聞いた。

環境ストレスに強いイネの開発に成功した島根大学の赤間一仁教授(左)と留学生ナディア・アクターさん環境ストレスに強いイネの開発に成功した島根大学の赤間一仁教授(左)と留学生ナディア・アクターさん

――ご実家が農家と聞きました。

赤間 はい、宮城県の石巻で両親が稲作農家をしていました。

――今回の研究のきっかけは何ですか。

赤間 乾燥や冠水、高塩に強いイネの開発は、イネ内のGABAを高める研究から始まりました。GABA]はアミノ酸の一種、ガンマアミノ酢酸で高血圧症の改善や睡眠の質を高める効果が知られています。

――注目の成分ですね。

赤間 GABAを植物に外からまぶすと、さまざまなストレスに耐性を示すようになるという研究はいくつかありました。

――人や動物ではなく、植物にもストレスがあるんですか。

赤間 植物は動けないので、動物よりもストレスに敏感な反応をします。内部にGABAを蓄積するのもその一つです。GABAは、グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)という酵素によるグルタミン酸の脱炭素反応によって合成されるのですが、GADには自己阻害ドメインという、ブレーキの働きをするものがあります。ストレスがかかるとブレーキが解除され、酵素の働きが高まります。

――このたびの研究では、ゲノム編集技術でGAD4を取り除き、いわばブレーキを外してイネ体内のGABAを増やしたのですね。

赤間 そうです。遺伝子組み換えでは100倍まで増えますが、ゲノム編集でも10倍になりました。

図 ゲノム編集によって作出したイネの環境ストレス耐性試験

――研究に参加された留学生ナディア・アクターさんはバングラデシュの出身ですが、研究動機には同国の農業事情も関わっているのでしょうか。

赤間 大いに関わっています。バングラデシュではかん水が頻発し塩害もあります。当初はGABAを増やすことが眼目でしたが、ストレスについても調べようと研究を進めたら、一般のイネと比べ、乾燥、冠水、高塩という環境ストレスにさらされても生存率が高いことがわかったのです。

赤間一仁教授インタビュー03_研究用に栽培しているイネ。気候変動のなか、実用化に期待が高まる.jpg研究用に栽培しているイネ。気候変動のなか、実用化に期待が高まる

――今後の課題は何ですか。

赤間 これまでの研究には日本晴という品種を用いてきましたが、この品種は近年あまり栽培されていないので、コシヒカリと掛け合わせ、GABAを増やし環境ストレスに強いコシヒカリを作っています。4~5回掛け合わせると完成しますが、現在2回まで進んだところです。イネだけでなく、野菜に応用できるかも研究課題です。

――気候変動の中、実用化への期待が高いですね。

赤間 国内もですが、東南アジアやアフリカでは温暖化の影響はより深刻なので、国際協力にも役立つのではと考えています。

【PR】

RISOCARE リゾケア シンジェンタジャパン株式会社
RISOCARE リゾケア シンジェンタジャパン株式会社

重要な記事

ナガセサンバイオ右上長方形SP 20230619

最新の記事

クミアイ化学右カラムSP

みどり戦略

Z-GIS 右正方形2 SP 230630

注目のテーマ

注目のテーマ

JA共済連:SP

JA人事

JAバンク:SP

注目のタグ

topへ戻る