秋本孝志さん(JAあなん)、寺園誠さん(JAあいら)が満点 農産物鑑定会2013年3月6日
JA全農と全国JA農産物検査協議会は3月5日、千葉市のJA共済幕張研修センターで第10回JAグループ全国農産物鑑定会を開いた。最優秀賞はJAあなん(徳島)鷲敷支店支店長の秋本孝志さん、JAあいら(鹿児島)経済部茶業センター係長の寺園誠さんの2人が受賞した。
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受賞者と主催者。受賞者は前列左から、杉さん、横山さん、秋本さん(最優秀賞)、寺園さん(最優秀賞)、北原さん
◆満点は7年ぶり、2人同時は初
JAグループの全国農産物鑑定会は、平成13年から農産物検査の民営化が始まったことをうけ、その中核を担うJA農産物検査員の技術向上をめざし、毎年開催している。
今年も全国の県本部などから推薦をうけた76人が参加した。
最優秀賞を受賞した寺園さん、秋本さんは、ともに全40点あった試料の等級をすべて的中させ満点での受賞となった。満点が出たのは第3回以来7年ぶりで、一度に2人が満点を取ったのは初めて。2人に次ぐ成績を修めた、JA新潟みらい(新潟)亀田支店営農経済課の横山忍さん、JA埼玉ひびきの(埼玉)本庄営農経済センターの杉和弘さん、JAあおぞら(鹿児島)園芸農産課の北原慎二さんの3人には優秀賞が贈られた。
秋本さんは「大きな自信になった。地元では指導的立場にあるものとして、後輩を育成しつつ、さらに検査技術を高めたい」と今後の抱負を述べ、寺園さんは「本当に難しかった。運がよかっただけだと思っている。これからもがんばりたい」と謙遜した。
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大会終了後に鑑定試料を検討し直す参加者ら。
◆格付けは生産者の所得に直結
大会を講評したのは(財)全国瑞穂食糧検査協会の穴井貞義常務理事。間違いが多かった試料を例にあげ、「3等なのに、2等や規格外を付けるなどブレの大きい間違いがいくつかあった。これはつまり、等級の見方が統一されていないということで大きな問題だ。また、本来なら2等なのに1等と付けられたものも多く、普段の業務でも甘めに検査している証拠だ」と指摘。
「格付けは、生産者の1年間の成果を判断し、その所得を決める大事な作業。絶対に誤ってはいけない」として、さらに自己研鑽を積むとともに、ベテラン検査員として仲間や後進を育てることにも力をいれてほしいと期待した。
また、大会の合間には田村仁・農水省生産局農産部穀物課長補佐が情勢報告を行い、検査をめぐる課題として、「出回り初期の格付け程度の統一はできても、その後の軌道修正が徹底されていない」、「この2年(23年度、24年度)で登録検査機関に対する行政処分が計11件と非常に増えている。格付けの信頼性低下は産地全体の信用低下、生産者の所得減に直結する。法令、業務規定の見直しや検査の最終確認など怠らないように気を引き締めてほしい」と呼びかけた。
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