多収イネ、光合成能力に貢献する遺伝子を特定2013年8月29日
生物研、農研機構、東京農工大が共同研究
多収イネ品種が持つ、光合成速度を高める遺伝子がわかった。(独)農業生物資源研究所と(独)農業・食品産業技術総合研究機構作物研究所、それに東京農工大学が共同で研究していた。この遺伝子を活用することで、収量性の高いイネの品種を作り出すことができる。
穀物の生産性を決定する主な遺伝子のうち、籾数や穂の大きさなど、炭水化物を貯蔵する能力を決定する遺伝子は次々明らかになっているが、光合成などの炭水化物を作り出す能力を決定する遺伝子は、これまでほとんど見つかっていなかった。
共同研究では、日本でトップレベルの収量性をもつイネの「タカナリ」から葉の光合成を速める遺伝子「GPS」を世界で初めて単離した。この遺伝子が光合成を行う場所の葉肉細胞の数を増やし、光合成速度を向上させることが分かった。GPS遺伝子をうまく利用することで、多収品種を効率的に育成し、生産コストを低減できるものと期待される。
(写真)
コシヒカリ(左)とタカナリ。タカナリは日本で栽培される中でトップレベルの多収イネ品種で、光合成能力が高く、籾数が多い。
(図はタカナリ型GPS遺伝子を持つと光合成速度が向上することの仕組み)
(関連記事)
・超低温保存の精巣から子豚誕生 生物研など(2013.08.21)
・世界初、干ばつに強いイネ遺伝子発見 生物研(2013.08.08)
・小麦と米の豊凶3か月前に予測 農環研など(2013.07.22)
・「コシヒカリ」で出穂早める遺伝子特定 生物研(2013.07.03)
・超耐塩性イネ品種を開発 国際稲研究所(2013.05.27)
重要な記事
最新の記事
-
(432)認証制度のとらえ方【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年4月25日
-
備蓄米 「味に差なく、おいしく食べてほしい」 江藤農相2025年4月24日
-
関税発動で牛肉の注文キャンセルも 米国関税の影響を農水省が分析2025年4月24日
-
トランプ関税で米国への切り花の輸出はどうなる?【花づくりの現場から 宇田明】第58回2025年4月24日
-
【JA人事】JA北オホーツク(北海道)吉田組合長を再任2025年4月24日
-
三島とうもろこしや旬の地場野菜が勢ぞろい「坂ものてっぺんマルシェ」開催 JAふじ伊豆2025年4月24日
-
農林中金 ロンコ・インベストメント・マネジメントに資本参画 不動産分野の連携強化2025年4月24日
-
積雪地帯における「麦類」生育時期 推定を可能に 農研機構2025年4月24日
-
日本曹達 微生物農薬「マスタピース水和剤」新たな効果とメカニズムを発見 農研機構2025年4月24日
-
棚田の魅力が1枚に「棚田カード」第5弾を発行 農水省2025年4月24日
-
みずほ銀行と食農領域の持続可能な発展に向け戦略的提携 クボタ2025年4月24日
-
【人事異動】兼松(6月1日付)2025年4月24日
-
日本生協連「フェアトレード・ワークプレイス」に登録2025年4月24日
-
旭松食品「高野豆腐を国外へ広める活動」近畿農政局 食の「わ」プログラムで表彰2025年4月24日
-
群馬県渋川市の上州・村の駅「お野菜大放出祭」26日から 9種の詰め放題系イベント開催2025年4月24日
-
JA蒲郡市と市内の飲食店がタッグ 蒲郡みかんプロジェクト「みかん食堂」始動2025年4月24日
-
適用拡大情報 殺菌剤「バスアミド微粒剤」 日本曹達2025年4月24日
-
倍率8倍の人気企画「畑でレストラン2025」申込み開始 コープさっぽろ2025年4月24日
-
農業・食品産業技術開発の羅針盤「農研機構NARO開発戦略センターフォーラム」開催2025年4月24日
-
雪印メグミルク、北海道銀行と連携「家畜の排せつ物由来」J-クレジット創出へ酪農プロジェクト開始 Green Carbon2025年4月24日