自然治癒力高める金芽米 セミナーが盛況2013年9月18日
東洋ライス(株)は9月14日、東京都中央区のベルサール八重洲で一般消費者ら200人を集め、金芽米セミナーを開催した。
◆亜糊粉層をしっかり残す金芽米
セミナーでは、東洋ライス(株)の雑賀慶二社長が「日本のコメを革新する金芽米について」、香川大学医学部稲川裕之准教授が「自然免疫力を高める金芽米の力」をテーマに、それぞれ講演した。講演終了後、聴講者と講演者の間で質疑応答が行われた。
雑賀社長は、コメの旨み成分である亜糊粉層が普通の精白米ではヌカとして除去されるが、金芽米は亜糊粉層をしっかり残し、精米されていること、亜糊粉層とはブドウに例えれば果実の表皮の内側にある甘みの強い層であること、亜糊粉層は吸水性・膨張性が高く、炊飯すると炊き増えすることなどを解説した。
また健康効果としては、学際的な研究成果によると、亜糊粉層には高血圧や動脈硬化の原因となるホルモンを抑制する成分が含まれていること(※1)、金芽米には美肌・便通効果や体調改善効果などが認められること(※2)などが解明されてきたと述べた。
(写真)
質問に応える雑賀社長(左)と稲川教授
◆なぜ、金芽米は品種を特定しないのか?
香川大学医学部の稲川裕之准教授は「自然免疫力を高める金芽米の力」のテーマで講演した。
要約すれば、金芽米の亜糊粉層には糖脂質(LPS)が多く含まれている。糖脂質はマクロファージ細胞(身体のゴミや異物を排除する機能がある)を活性化させ、自然治癒力を高める。
従って糖脂質の多い金芽米は生活習慣病、感染症、呆け、癌、アレルギーなどの疾患を予防する治療効果(自然治癒力)が期待できるなど。
質疑応答で稲川准教授は食物と病気に関連した質問に「現在の植物工場などで、LEDを使って栽培された野菜には糖脂質が少ない。人間は長い食生活の歴史の中で、体質を形成してきたが、日本ではこの50年、100年で食生活が大きく変わった」と、健康な農作物を摂取する大切さを語った。
雑賀社長は、金芽米の原料米になぜ品種を特定し明記しないのか、との問に「金芽米の原料米は品種の問題ではない。どの米でも良質な亜糊粉層が有れば良い。銘柄米産地でもその年の気候条件などにより米の品質は変わる」と説明、健康で寿命を全うするには、健康効果に配慮し健全な食生活をすることが大事だと語り、とセミナーを締めくくった。
※1 テンプル大学江口准教授・和歌山県立医大宇都宮准教授らによる実験生物学会(米国)発表
※2 甲南女子大学奥田和子教授による「金芽米の継続摂取による健康面へのプラス効果」、日本栄養・食糧学会発表
(関連記事)
・金芽米の継続摂取で体調改善効果 東洋ライス(2013.08.20)
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