「米価下落、誰が得?」宮腰PT座長2013年11月28日
生産調整見直し策などを党が了承した11月25日、宮腰光寛・自民党農業基本政策検討座長は記者会見で「米価が下がって誰が得をするのか。農地が荒れて人がいなくなって国益にかなうかといえばそういうことはない」などと米価安定の必要性を強調した。
5年後に向けて米の生産調整見直しの方向が決まったが、主食用米の生産は需要に応じた計画生産が基本となる。過剰になれば生産を調整するのは当たり前のことだ。しかし、今回の改革で米価の下落を不安に思う生産現場の声がある一方で、米の価格が安くならなければ改革にならないといった声もある。
記者会見でもこのような質問が飛んだが宮腰座長は1人あたりの米の消費量から米価は決して高い物価ではないことを強調した。現在の年間1人あたりの消費量は約60kg。「月に5kgでスーパーで2000円で買っても1日あたり70円」と宮腰氏は指摘、「缶コーヒーやペットボトルの水が100円から120円しているときに主食の値段が1日70円というのは日本の物価のなかで本当に高いのか。そんなことはないと思う」と述べた。
そのうえ「野放図に主食用米をつくるということをやったときに、米価がぐっと下がって誰が得をするのか。農地が荒れて人がいなくなって、それが国益にかなうかといえばそんなことはない。農業の多面的機能は都市部に大きな利益がある。私は農地は公共財だと思う」などと話し、適切な米価が維持されなければ水田を守ることにつながらないと計画的な主食用生産の必要性を示した。
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