カドミウムをほとんど含まない「コシヒカリ」2014年1月31日
農環研が開発
農業環境技術研究所(農環研)はカドミウムをほとんど含まない突然変異体の「コシヒカリ環1号」を開発し、品種登録出願した。この品種の普及により、人が摂取するカドミウム量をさらに減らすことができると期待を寄せている。
「コシヒカリ環1号」は、通常のコシヒカリが定量限界値0.01mg/kgをはるかに超える0.4mg/kg以上となるような高濃度農地で栽培しても、ほとんどカドミウムを吸収しない。その一方で、生育、収量、食味、病害体制などの形質は通常のコシヒカリとほとんど同じで、栽培方法もまったく変わらない。
日本で人が食品から摂取するカドミウムの量は、健康に悪影響が出る量より少ないが、その一方で、摂取量の4割は米から摂取されると推定されている。このため、各地域でほ場の土の入れ替えやアルカリ資材の投入による吸収抑制などの対策が各地域で行われている。こうした対策はコストや効果の面から限定的な対策となっていたが、農環研では「コシヒカリ環1号」の普及によって、これまでコシヒカリの栽培適地でなかった地域でも栽培できるようになると、期待している。
すでに「コシヒカリ環1号」は65の水稲品種・系統と交配され、平成25年度から実証事業が実施され、今後はさらなる普及が期待される。
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