過去最多39銘柄が特A 25年産米食味ランク2014年2月14日
一般財団法人日本穀物検定協会(穀検)は2月13日、平成25年産米食味ランキングの結果を公表した。今年は44道府県の131産地品種銘柄を試験し、約3割となる38が特Aにランクされた。
◆西日本で改良すすむ
25年産米は過去最多だった24年産の29を上回る38銘柄が特Aにランクされ、Aには56が選ばれた。特AとAは一般的に“良食味”とされるレベルであり、昨年より1ポイント増えて全体の72%(94産地品種銘柄)がA以上にランクされた。
特Aが大幅に増えたことについて穀検では、「全国各地の生産者、生産者団体、研究者、行政などの努力のたまもの」(山本徹会長)と評価。具体的には、ここ数年、毎年のように問題になっている夏場の高温障害への対策が進み「耐性品種や栽培技術が普及したことが要因」だと解説した。
東日本で作付されている主な品種は「コシヒカリ」だが、西日本では各県試験場などが独自開発した高温耐性品種を、県内で普及拡大している例が多い。25年産米の特Aランクをブロック別に見ると、中国地方で10年ぶり、四国では初の特A取得があったほか、九州でも毎年特Aの数が増えている。これらはいずれも高温耐性を持つ新品種だ。
こうした傾向から「これまで米の品質は東高西低と言われてきたが、近年、西日本の普及改良技術は著しく進んだ」と評価した。
◆千葉、鳥取、香川、鹿児島が初特A
今回、県として初の特A取得となったのは、千葉、鳥取、香川、鹿児島の4県。そのほか兵庫が、県としては平成4年産以来21年ぶりに特Aを取った。
品種では「きぬむすめ」、「おいでまい」、「あきほなみ」、の3つが初めて特Aを取得。特Aにランクされた38銘柄の品種別内訳は「コシヒカリ」が16で最多、次いで「ひとめぼれ」6、「ヒノヒカリ」3、「つや姫」2となっている。
ランキングされた131産地品種銘柄とは別に、普及面積が小さいなどの理由で参考品種として試験されたのは8産地品種銘柄。このうち、栃木(県北)「なすひかり」、滋賀「みずかがみ」が特Aの評価を受けた。
◇
特Aとなった38産地品種銘柄は次の通り。
▽北海道「ななつぼし」(4年連続)
▽北海道「ゆめぴりか」(3年連続)
▽岩手(県南)「ひとめぼれ」(10年連続)
▽宮城(県北)「ひとめぼれ」(10年連続)
▽宮城(県中)「ひとめぼれ」(2年ぶり)
▽宮城「つや姫」(初)
▽秋田(県南)「あきたこまち」(2年連続)
▽山形「ひとめぼれ」(2年ぶり)
▽山形「コシヒカリ」(5年連続)
▽山形「はえぬき」(5年連続)
▽山形「つや姫」(4年連続)
▽福島(会津)「コシヒカリ」(2年ぶり)
▽福島(会津)「ひとめぼれ」(5年連続)
▽福島(中通)「ひとめぼれ」(5年連続)
▽栃木(県北)「コシヒカリ」(17年ぶり)
▽千葉「コシヒカリ」(初)
▽新潟(魚沼)「コシヒカリ」(25年連続)
▽新潟(上越)「コシヒカリ」(5年ぶり)
▽新潟(中越)「コシヒカリ」(3年連続)
▽新潟(佐渡)「コシヒカリ」(9年連続)
▽石川「コシヒカリ」(2年連続)
▽福井「コシヒカリ」(2年連続)
▽山梨(峡北)「コシヒカリ」(2年連続)
▽長野(南信)「コシヒカリ」(2年連続)
▽三重(伊賀)「コシヒカリ」(3年連続)
▽京都(丹後)「コシヒカリ」(3年連続)
▽兵庫「コシヒカリ」(初)
▽奈良(県北)「ヒノヒカリ」(4年連続)
▽鳥取「きぬむすめ」(初)
▽香川「おいでまい」(初)
▽福岡「元気つくし」(3年連続)
▽佐賀「コシヒカリ」(初)
▽佐賀「さがびより」(4年連続)
▽熊本(城北)「ヒノヒカリ」(6年連続)
▽熊本「森のくまさん」(4年連続)
▽熊本「くまさんの力」(2年連続)
▽大分(豊肥)「ヒノヒカリ」(2年連続)
▽鹿児島(県北)「あきほなみ」(初)
(関連記事)
・米の相対取引価格、前年比12%下落 農水省(2014.02.06)
・29産地品種が特A 最高得点は「森のくまさん」 24年産米食味ランキング(2013.02.15)
・お米アドバイザー、受講者は218人に Facebookを開設(2012.12.11)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(172)食料・農業・農村基本計画(14)新たなリスクへの対応2025年12月13日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(89)フタルイミド(求電子剤)【防除学習帖】第328回2025年12月13日 -
農薬の正しい使い方(62)除草剤の生態的選択性【今さら聞けない営農情報】第328回2025年12月13日 -
スーパーの米価 前週から14円下がり5kg4321円に 3週ぶりに価格低下2025年12月12日 -
【人事異動】JA全農(2026年2月1日付)2025年12月12日 -
新品種育成と普及 国が主導 法制化を検討2025年12月12日 -
「農作業安全表彰」を新設 農水省2025年12月12日 -
鈴木農相 今年の漢字は「苗」 その心は...2025年12月12日 -
米価急落へ「時限爆弾」 丸山島根県知事が警鐘 「コミットの必要」にも言及2025年12月12日 -
(465)「テロワール」と「テクノワール」【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月12日 -
VR体験と牧場の音当てクイズで楽しく学ぶ「ファミマこども食堂」開催 JA全農2025年12月12日 -
いちご生産量日本一 栃木県産「とちあいか」無料試食イベント開催 JA全農とちぎ2025年12月12日 -
「いちごフェア」開催 先着1000人にクーポンをプレゼント JAタウン2025年12月12日 -
生協×JA連携開始「よりよい営農活動」で持続可能な農業を推進2025年12月12日 -
「GREEN×EXPO 2027交通円滑化推進会議」を設置 2027年国際園芸博覧会協会2025年12月12日 -
【組織改定・人事異動】デンカ(1月1日付)2025年12月12日 -
福島県トップブランド米「福、笑い」飲食店タイアップフェア 期間限定で開催中2025年12月12日 -
冬季限定「ふんわり米粉のシュトーレンパウンド」など販売開始 come×come2025年12月12日 -
宮城県酪初 ドローンを活用した暑熱対策事業を実施 デザミス2025年12月12日 -
なら近大農法で栽培「コープの農場のいちご」販売開始 ならコープ2025年12月12日


































