エルニーニョで米収量減る 豊凶予測が正確に2014年5月22日
農環研、海洋機構が世界で初めて解明
(独)農業環境技術研究所と(独)海洋研究開発機構は、エルニーニョ、ラニーニャ現象と世界の主要穀物の生産量との関係性を明らかにした。今後、穀物の豊凶予測が、より正確で素早くなると期待される。
エルニーニョ現象とは、太平洋東部の赤道付近の海面温度が平年より高い状態が続くこと。ラニーニャは逆に低くなる現象を指す。海面温度に異常があると気温や降水量の変動が起きやすいため、両現象は世界的な作物の収量にも影響を及ぼすと言われている。
両現象と農産物の収量については、これまで地域を限定した研究はされていたが、今回、両研究所は、世界的な視点にたった影響を世界で初めて明らかにした。
その結果、トウモロコシ、米、小麦の収量は、両現象が起こると平年を下回ること、とくに米、小麦はラニーニャの年に大きく減り、トウモロコシはエルニーニョの年に大きく減ること、さらに大豆の収量はエルニーニョが起きると大きく増えることがわかった。
両現象の発生予測は、精度が高く早い時点でできるため、この研究成果を元に、今後、世界の穀物の豊凶予測がより確実に早くできるようになると期待される。
この研究成果は5月15日付で英国科学誌『Nature Communications』オンライン版に掲載された。
(グラフ)
エルニーニョ年とラニーニャ年、通常年の世界平均収量の平年収量に対する差の頻度分布。
(関連記事)
・台風・竜巻への不安高まる 地球温暖化の影響(2014.02.26)
・再生可能エネルギーの推進求める 生活クラブ(2014.01.15)
・世界中の農業環境の変化、簡単に検索・閲覧(2014.01.10)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(173)食料・農業・農村基本計画(15)目標等の設定の考え方2025年12月20日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(90)クロロニトリル【防除学習帖】第329回2025年12月20日 -
農薬の正しい使い方(63)除草剤の生理的選択性【今さら聞けない営農情報】第329回2025年12月20日 -
スーパーの米価 前週から10円上がり5kg4331円に 2週ぶりに価格上昇2025年12月19日 -
ナガエツルノゲイトウ防除、ドローンで鳥獣害対策 2025年農業技術10大ニュース(トピック1~5) 農水省2025年12月19日 -
ぶどう新品種「サニーハート」、海水から肥料原料を確保 2025年農業技術10大ニュース(トピック6~10) 農水省2025年12月19日 -
埼玉県幸手市とJA埼玉みずほ、JA全農が地域農業振興で協定締結2025年12月19日 -
国内最大級の園芸施設を設置 埼玉・幸手市で新規就農研修 全農2025年12月19日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】「経済関係に戦略性を持ち込むことなかれ」2025年12月19日 -
【農協時論】感性豊かに―知識プラス知恵 農的生活復権を 大日本報徳社社長 鷲山恭彦氏2025年12月19日 -
(466)なぜ多くのローカル・フードはローカリティ止まりなのか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月19日 -
福岡県産ブランドキウイフルーツ「博多甘熟娘」フェア 19日から開催 JA全農2025年12月19日 -
α世代の半数以上が農業を体験 農業は「社会の役に立つ」 JA共済連が調査結果公表2025年12月19日 -
「農・食の魅力を伝える」JAインスタコンテスト グランプリは、JAなごやとJA帯広大正2025年12月19日 -
農薬出荷数量は0.6%増、農薬出荷金額は5.5%増 2025年農薬年度出荷実績 クロップライフジャパン2025年12月19日 -
国内最多収品種「北陸193号」の収量性をさらに高めた次世代イネ系統を開発 国際農研2025年12月19日 -
酪農副産物の新たな可能性を探る「蒜山地域酪農拠点再構築コンソーシアム」設立2025年12月19日 -
有機農業セミナー第3弾「いま注目の菌根菌とその仲間たち」開催 農文協2025年12月19日 -
東京の多彩な食の魅力発信 東京都公式サイト「GO TOKYO Gourmet」公開2025年12月19日 -
岩手県滝沢市に「マルチハイブリッドシステム」世界で初めて導入 やまびこ2025年12月19日


































