米の事前契約拡大で相場形成 JA全農2015年5月22日
JA全農は27年産米の取り組みで播種前・収穫前の事前契約数量を積み上げるなどの取り組みを通じて、26年産より1円でも高い概算金を設定し、より高い生産者手取りの実現をめざす。
収穫前等事前契約は概算金水準設定の基礎となる。26年産では契約数量は91万tだったが、27年産では成約目標を140万tとしている。卸売業者へ提示する際の基準価格は過去の平均価格なども参考に提示する。
一方、事前契約を拡大させるには需給緩和の状態を改善させる必要があり、そのため27年産米主食用米生産量は生産数量目標(751万t)よりさらに深掘りした自主的参考値(739万t)を実現させることが必要で、JAグループは60万tの飼料用米生産を目標にしている。また、全農は米の輸出拡大にも取り組み1万tの目標を掲げている。
27年産の概算金については、各県本部がそれぞれに需給を見通して概算金を設定するのではなく、本所が県本部に概算金の試算の考え方を統一的に提示。そのうえで需給環境や事前契約の成約状況など全体情勢や将来の販売・価格予測などについて、県本部・本所で足並みをそろえて設定する方針だ。
流通コスト削減策として、これまで運賃は一部が産地負担となっていたものを、建値条件を変更して生産者負担を軽減する。生協や業務用ユーザーなどに米の適正価格について理解醸成活動も行う。
農林水産省が5月15日に公表した調査結果では自主的取組参考値の達成が見込まれるのが16県、生産数量目標の達成が見込まれるのが15県となっている。また、飼料用米の取り組み状況は目標をほぼ達成する見込みの県は2県、7?8割以上の達成見込みが7県となっている。
農林水産省は飼料用米への作付け転換を推進するため、地方農政局・地域センターが日頃、JAとの接点の少ない大規模生産者などへの個別訪問を行い、飼料用米に取り組むメリットを説明することなどの働きかけを行うという。
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