米価下落で過去最高の補てん ナラシ対策515億円2015年6月8日
農林水産省は6月5日、26年産の収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)の支払見込みをまとめた。
ナラシ対策とは米価などが下落して収入が減少したときに、補てんする保険的な制度。対象品目は米のほか、麦、大豆、てん菜、でん粉原料用ばれいしょ。加入できる対象者は27年産から規模要件を課さず、認定農業者、認定新規就農者、集落営農とされている。
当年産の対象品目の販売収入の合計が「標準的収入」を下回った場合に、その差額の9割を国からの交付金と農業者の積立金で補てんする。国の交付金は農業者の積立金の3倍を上限としている。 また、農業者は対策の加入時に標準的収入の▽10%下落まで対応できるコース、▽20%下落まで対応できるコースのいずれかを選択し、そのコースに応じた積立金を拠出する。
26年産では全国の加入件数は6万9741件で6月3日時点での支払件数見込みは5万7975件。補てん総額は514億7000万円の見込みとなっている。
米の10aあたりの補てん単価は全国平均で約2万2000円。米加入面積が10haの場合、補てん額は221万円と推計される。
26年産は米価が大幅に下落したことから補てん総額は19年の制度発足以来、最大となった。
※標準的収入は都道府県等地域単位で算定。過去5年のうち最低・最高を除く3年の平均収入。
(表)過去のナラシ対策の支払件数と総額
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