深掘り産地は全国平均上回る米価上昇-農水省のレポート2016年12月8日
農林水産省が毎月発行している「米に関するマンスリーレポート」は12月号からきめ細かな情報提供の一環として、生産調整の超過(深掘り)達成県と過剰作付け県との価格動向比較や、市場出回り量に対する事前契約数量比率など新たな情報を掲載している。
28年産米の9月の相対取引価格は、全銘柄平均で60㎏1万4342円となり、前年産平均価格より9%上昇している。
産地別にみると生産数量目標よりさらに深掘りを行った青森県(深掘り率10%)は作況指数が104だったものの、「青森まっしぐら」の価格は全国平均上昇率を上回る12%上昇した。
同じく秋田県(同4%)は「秋田あきたこまち」が10%、山形県(同1%)は「山形はえぬき」が11%上昇した。
一方、過剰作付けとなった茨城県では作況が99だったが、「茨城コシヒカリ」の価格上昇は5%にとどまった。農水省の分析で深掘り産地では作況が良くても、価格上昇率は全国平均を上回るが、過剰作付け産地の価格上昇率は全国平均を下回っている。
また、事前契約数量比率についても新たな試算をして情報掲載している。 事前契約とは、複数年契約、播種前契約、収穫前契約といった収穫時期の前にあらかじめ契約する取引で、その数量は2年続けて増加、平成28年産では前年産にくらべて10.2万t多い127万t多い。
マンスリーレポートではこれまで集荷数量を分母にした産地別の事前契約比率を公表してきたが、今回からは、市場出回り数量に近い農産物検査数量を分母にした比率を試算して掲載している。
この試算による27年産米の産地別事前契約比率は高い順から、(1)山口(事前契約比率55.1%)、(2)宮城(同52.1%)、(3)香川(同50.0%)、(4)島根(同44.7%)、(5)岩手(同44.1%)などとなっている。40%を超えたのは10県、30%台が3道県となっている。
そのほか、産地別一年古米在庫比率も農産物検査数量を分母にして在庫比率を試算し掲載している。低い順から(1)静岡(1.5%)、(2)宮崎(2.5%)、(3)奈良(3.4%)、(4)千葉(3.5%)、(5)徳島(3.6%)などとなっている。
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