業務用向け販売割合39%-農水省調査2018年3月8日
農林水産省は米の業務用向け販売実態を調査し「米に関するマンスリーレポート」3月号で公表した。全国ベースでは業務用向け販売割合は39%だが、群馬、福島、岡山、栃木では6割を超えていることが示された。
人口減少と高齢化などで主食用米の需要は年間8万tペースの減少傾向が続いている。そのなかで需要構造がシフトし家庭用米より中食・外食などの業務用需要は堅調に伸びており、米の生産も業務用需要への対応が求められている。
農林水産省はこのほど需要に応じた生産、販売の取り組みの参考となるよう業務用向けの販売実態を28年度に引き続き調査した。
調査は平成28年7月から29年6月までの1年間で年間玄米取扱量4000t以上の販売事業者が精米販売した数量(約330万t)のうち、業務用向けに販売した数量を調査した。対象業者は225社で回収率は99.6%だった。
調査の結果、業務用需要は堅調に推移しており、28/29年は前年より2%増えて39%とほぼ4割を占めた。地域別にみると群馬県65%、福島県65%、岡山県63%、栃木県63%が6割を超えている。
5位以下は宮城県57%、山口県56%、山形県55%、佐賀県55%、岩手県52%、青森県51%となった。
一方、業務用向け販売割合が低いのは東北・北陸で秋田県(21%)、新潟県(19%)、福井県(26%)など。東海から西ではまだ総じて低く、販売割合の高いのは岡山、山口などで上位10位以内にランクインしている。 産地品種銘柄でみると北海道、東北など主産地が上位を占めている。なかでも宮城ひとめぼれ(全体に占める割合8%)、山形はえぬき(7%)、栃木コシヒカリ(7%)は前年に引き続き割合が高く3銘柄の合計が業務用販売全体の22%超となっている。
そのほか上位の銘柄は北海道ななつぼし、岩手ひとめぼれ、福島コシヒカリ、茨城コシヒカリ、青森まっしぐらなどがある。
28年産米で業務用向けに販売された産地品種銘柄ごとに価格帯別(相対取引価格ベース)の販売量をみると、60kg1万4000円未満の銘柄が70%を占めた。ちなみに27年産調査では1万3000円未満の銘柄が78%を占めていた。米価の上昇で業務用銘柄も上がっていることが示されている。
米価は3年連続で上昇していることから、外食など業務用米として使われるSBS(売買同時入札)輸入米の入札は旺盛で、2月20日の29年度第5回入札の結果、年度計画の10万t枠全量が落札した。業務用需要にも産地が的確に対応しなければ輸入米に需要を奪われてしまうことにもなりかねない。
なお、この調査は米卸業者が業務用向けに精米販売した数量であって、小売店などに精米販売しその後、業務用に仕向けられた精米は含まれていない。
重要な記事
最新の記事
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(2)今後を見据えた農協の取り組み 営農黒字化シフトへ2025年1月23日
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(3)水田に土砂、生活困惑2025年1月23日
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(4)自給運動は農協運動2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(1)2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(2)2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(3)2025年1月23日
-
元気な地域をみんなの力で 第70回JA全国女性大会2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(1)新しい仲間との出会い 次世代へつなげるバトン 青森県 JA八戸女性部 坂本順子さん2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(2)この地域を、次世代に繋ぐ、私たち 山梨県 JA南アルプス市女性部 保坂美紀子さん2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(3)私たちの力で地域をささえ愛 愛知県 JA愛知東女性部 小山彩さん2025年1月23日
-
旧正月【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第325回2025年1月23日
-
地元産米を毎月お届け 「お米サポート」スタート JAいずみの2025年1月23日
-
定着するか賃金引上げ 2025春闘スタート 鍵は価格転嫁2025年1月23日
-
鳥インフル 米アイオワ州など5州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月23日
-
鳥インフル 英シュロップシャー州、クルイド州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月23日
-
スーパー売り上げ、過去最高 野菜・米の価格影響 「米不足再来」への懸念も2025年1月23日
-
福島県産「あんぽ柿」都内レストランでオリジナルメニュー 24日から提供 JA全農福島2025年1月23日
-
主要病虫害に強い緑茶用新品種「かなえまる」標準作業手順書を公開 農研機構2025年1月23日
-
次世代シーケンサー用いた外来DNA検出法解析ツール「GenEditScan」公開 農研機構2025年1月23日
-
りんご栽培と農業の未来を考える「2025いいづなリンゴフォーラム」開催 長野県飯綱町2025年1月23日