種子法廃止の対策を 62地方議会が意見書提出2018年4月22日
主要農作物種子法は今年の4月1日、廃止となったが、ことの重大性から道府県、市町村議会では種子生産・供給に万全の対策を求める意見書の採択・提出が相次いでいる。4月12日現在で2県、26市、20町、14村の合計62自治体で意見書提出が行われ、国や県に新たな法律、あるいは対策を求める声が高まっている。
主要農作物種子法は昨年の4月、廃止が決まった。同法は昭和27年に制定され、稲・麦・大豆の品種開発と安定供給に貢献してきた。突然の廃止は「民間企業の参入を阻害している」という理由だが、十分な資料も説明もなく、参院のわずか5時間の審議で廃止を可決した。
稲・麦・大豆の種子生産は道府県が行っているが、法の裏付けがなくなると、ただでさえ財政難の道府県が、これまで通りの種子行政ができるかという不安が残る。これを危惧する地方議会が国や国会に意見書を出して62自治体に及んだ。
その一つ、千葉県野田市議会の意見書は、廃止となった種子法に代わる新たな法整備を求めている。内閣総理大臣、農林水産大臣、経済産業大臣あての意見書で、種子法廃止の際の参院での附帯決議にある、都道府県での財源確保、種子の国外流出防止、種子独占の弊害の防止などを求め「政府においては食料主権の観点から、日本の種子を保全するための新たな法整備を行うなど、積極的な施策を求める」としている。
また県議会では、昨年愛知県が「種子法の廃止により、都道府県の取り組みが後退することへの懸念や特定の事業者による種子の独占によって弊害が生じるおそれが指摘されており、民間事業者が参入しやすい環境を整備するとともに、都道府県による稲、麦及びサイズの種子の研究開発の強化と安定供給を図っていく必要がある」と、従来通り、都道府県の種子行政を継続する必要性を訴えている。
(表)種子法関連の意見書を提出した市町村(2018年4月12日現在)
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