元年産米取引数量 対前年比4割減-5月末 農水省調べ2020年6月17日
農林水産省が発表した令和元年産米の5月の取引状況によると、取引数量は対前年比で約4割減少している。
5月の相対取引価格は60kg1万5775円で前月とくらべて横ばいだった。ただ、数量は6万7512tで対前月比51%とほぼ半減し、対前年比では62%と約4割減となった。
米の取引数量は3月では37万tと前月比161%だった。新型コロナウイルス感染症が拡大した時期だが、前年比では103%とほぼ横ばいで、事業年度末の影響もあって3月の取引数量は例年大きく増える。
しかし、4月からは緊急事態宣言下での需要減の影響が出る。取引数量は前月比36%の13万1480tにとどまり、対前年比でも86%と落ち込んだ。3月の一時期は量販店で精米商品が消えるなど事態もあったが、米関連業界や農水省などは物流の一時的な混乱が要因で米は十分にあることを強調し実際、ほどなく品不足は解消した。その後、政府による休業要請などもあって外食を中心に米の需要は減退、令和元年産米は在庫が積み上がり、とくに業務用向けの販売が課題となっている。
こうしたなか令和2年産の主食用米は例年並みの作付けが見込まれており、作況が平年作なら過剰となることも懸念されている。「東京の量販店から米が姿を消したニュースが流れ、産地には正確な需要情報が伝わらなかったかもしれない」と関係者は話す。
農水省は営農計画書の提出を8月末まで延長し、需要に応じた主食用の供給となるよう、飼料用米、加工用米への仕向けなどに取り組むよう産地に促している。
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