北杜市と包括連携協定 東洋ライス2020年7月30日
東洋ライス(株)は、山梨県北杜市と持続可能な農業の実現に関する包括連携協定を締結した。東洋ライス(株)が開発した世界初の無洗米「BG無洗米」と精米時の副産物(ヌカ)である「米の精」を活用しながら、取り組みを進めていく。
協定では、北杜市の生産者が10年前から実施している「米の精」を使った循環型農業をベースに、市民の健康増進や地産地消の実現を図っていく方針。
一連の取り組みをSDGs(持続可能な開発目標)の達成という形で具現化するとともに、目標を実現するために行政・企業・市民が果たすべき役割も明確にし、広く周知・浸透を図っていく考えだ。
同市がこれまで推進してきた持続可能な農業の実践は、昨年11月に同社が国連本部でSDGsに関する報告を行うきっかけになった。ともに安全・安心を意識した取り組みを進めてきたことが、今回の協定締結として具現化したもの。
同市の渡辺英子市長は、「米どころである当市に力強いパートナーが誕生した。当市も東洋ライス(株)も循環型農業の実現を目指している。米の精を活用した取り組みもさらに広げ、米をはじめとする当市農産物の価値をさらに高めていきたい。東洋ライス(株)の知見も活用させていただき、地域ブランドを多くの人にアピールしていく」と述べた。
同社の雑賀慶二社長は、「米の精は有機リンを含み栄養分が多いことから、肥料や飼料にも使われている。まだSDGsという言葉がない時代から、北杜市が長年活用してくれたことが国連本部での報告にもつながった。SDGsの取り組みは国内でも増えているが、やり方が分からないという声は多い。今回の協定による取り組みはSDGsのモデルケースとなるはずで、社会貢献の形としてアピールしていきたい」と語った。
また、「SDGsに向けて行政・企業・市民それぞれの役割がある。行政は実施状況が適切かどうかチェックし、企業は取り組みの環境作りを担う。市民は意義を理解し行動を実現に移すことが必要だ」と抱負を述べた。
協定では、SDGsの達成に基づき地域ブランドの向上を図るとともに、地産地消や子どもたちに「北杜市の安全・安心なおいしい食」の魅力を発信。また、市民が北杜市を誇りに思う気持ちも醸成し、成果を日本全国に向けてアピールすることも推進していく。
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