ノングルテン米粉需要拡大で講習会 日本米粉協会2020年10月28日
日本米粉協会は10月27日、「第2回ノングルテン米粉の製造と同加工品普及講習会」(東京会場)をTKP東京駅セントラルカンファレレンスで開催。講演の中で農水省穀物課の小俣範雄課長補佐は、10月30日の告示に向けてノングルテン米粉の製造工程管理JASの規格作りの検討を進めていることを明らかにした。世界最高水準のタンパク質定量技術を活用し、グルテン含有量「1ppm以下」の米粉をノングルテン表示でアピールする「ノングルテン米粉第三者認証制度」の製品認証とノングルテン米粉JAS(特色JASマーク)との二本柱で米粉の輸出や需要拡大に寄与する構えだ。
講演を行う小俣農水省穀物課課長補佐
![ノングルテン米粉加工製品認証ロゴマーク](https://www.jacom.or.jp/kome/images/nous20102817_2.jpg)
講演で小俣課長補佐は米粉をめぐる状況について説明。米粉用米の需要量は平成24年度以降、2万t程度で推移している。米粉の特長を活かし、平成30年からグルテンを含まない特性を発信する「ノングルテン米粉第三者認証制度」や米粉の用途別基準の運用開始も需要拡大を後押しした。さらに米粉の品質向上と商品の多様化により、近年、商品開発が急速に拡大したことも利用が拡大する大きな要因のひとつとした。直近では小麦製品と同様に、コロナ禍の巣ごもり需要で家庭用米粉の使用量が大幅に増加。一方で土産需要などを対象とした業務用は需要が減少している。
米粉の特長として、もっちりとした食感はもちろん、小麦粉と異なりダマになりにくい点や小麦に比べ人に必要な必須アミノ酸のバランスが有意である点などを挙げた。新たな米粉の活用では米を加熱してアルファ化し、それを原料とした米ピューレやアルファ化米粉などが登場しており、これらを増粘剤や油脂などの代替として使用した新たな米粉加工品の開発も進んでいるという。
農水省が今年3月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画の中で、米粉用米については大規模製造ラインに適した技術やアルファ化米粉など、新たな加工法を用いた米粉製品の開発による加工コストの削減および、国内産米粉や米粉加工品の特長をいかした輸出の拡大の2つを今後の課題として挙げている。
また、米粉は小規模な製造業者が多く、米粉用米の品種や製粉方法も異なり、製造業者によって製品の吸水量が異なるなど品質に違いがみられるため、安定した利用につながりにくいといった課題もある。そのため、米粉に「1番:菓子・料理用」「2番:パン用」「3番:麺用」とした統一の用途表記を行う「米粉の用途別基準」を定め、日本米粉協会が適合する製品に同協会の「推奨マーク」を付与する仕組みが実施されている。
ノングルテン米粉第三者認証制度では、日本米粉協会が平成30年6月に同制度の運用を開始。認証はあらかじめ同協会に申請し、認証機関登録を行った民間団体が行い、同協会は認証制度全体を管理・運営している。また、令和元年9月からノングルテン米粉を使用した加工品の登録をスタートさせた。同協会に登録申請し、受付に合致し登録された事業者は米粉加工品に「ノングルテン米粉使用マーク」が付与される仕組み。今後は「ノングルテン米粉使用マーク」登録の拡大を通じ米粉加工品の販売拡大を目指す考えだ。
![新たに検討しているノングルテン米粉の製造工程管理JAS](https://www.jacom.or.jp/kome/images/nous20102817_3.jpg)
今回新たに検討を進めているノングルテン米粉の製造工程管理JASは、原料・資材などの受け入れから保管、製造、出荷中にグルテンなどの混入を防ぐよう厳格に管理している事業者が取得し、会社のホームページやパンフレットなどにJASマークを貼付することで、企業間取引でJAS認証を受けた管理能力の高さを訴求できるとしている。小俣課長補佐は「特色JASマークにすることで、品質の高さを分かりやすくアピールすることができる。米粉の輸出や需要拡大に貢献していきたい」と期待を込めた。
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