米販売2%減 小売向けシフトも課題-2020年実績2021年5月19日
農林水産省がこのほどまとめた2020(令和2)年1月~12月までの直近1年間の米の販売数量は2019年にくらべて2%減少したことが明らかになった。
近年では1人あたりの消費量や人口減少の影響で主食用米の需要量は毎年10万t程度の減少が見込まれている。これは約1.4%の減少率だ。
一方、2020年の米穀販売事業者での販売数量の動向は、中食・外食向けは前年比88%と大きく落ち込んだが、小売事業者向けは同106%と伸びた。
新型コロナウイルス感染症の拡大による非常事態宣言の発令や、外出自粛などの影響で中食・外食向けの販売数量は減少したが、一方で小売事業者向けの販売数量は伸びたことから、全体では前年比98%となった。減少率は2%で最近のトレンドである約1.4%と大きな開きはない。
今年3月の販売数量を2019年とくらべると小売事業者向けは104%と伸びている一方、中食・外食事業者向けは91%と落ち込んでいるが、全体では98%と前年比2%の減少にとどまっている。今年1月からの緊急事態宣言の再発令が外食に影響したことがうかがえるが、家庭向けは販売数量を伸ばしている。
総務省の家計調査では昨年1年間の米購入数量は64.59kgで前年比103.7%と増えた。実績を見る限り、コロナ禍で大きく全体の需要が減少したというよりも中食・外食向けの落ち込みが続く一方、小売り向けは伸びており、「小売りにどうシフトさせていくか課題」と農水省は分析する。
主産地中心に米在庫増
一方で米の民間在庫量は3月末で265万tと前年同月比で31万t増となっている。作柄が良くなかった西日本では前年比マイナスとなっている県も多く在庫を取り崩している地域もある。
しかし、主産県は過剰な在庫を抱えている。前年比で北海道は+27.6%、宮城は+25.5%、山形は48.6%、栃木は+32.5%、新潟は+14.8%、富山は+33.1%などとなっている。
こうしたなか3月の相対取引価格は全銘柄平均で前月差▲104円の60kg1万4740円となった。出回りからの年産平均価格は前年産▲838円の同1万4878円となった。2021年産米の作付けが進んでいるが、20年産米の在庫増加で価格下落が始まっている。過剰在庫を抱えた主産県では作付けした一般品種を飼料用米に仕向けるなど取り組みが進められる必要がある。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(131)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年3月1日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(48)【防除学習帖】第287回2025年3月1日
-
農薬の正しい使い方(21)【今さら聞けない営農情報】第287回2025年3月1日
-
【青年大会特集座談会】国の礎「食」を支える自負を(2)京大藤井聡教授・田中均組合長・久保田治己氏2025年2月28日
-
【青年大会特集座談会】国の礎「食」を支える自負を(3)京大藤井聡教授・田中均組合長・久保田治己氏2025年2月28日
-
【米の食味ランキング】猛暑・残暑で西日本のランク落ち目立つ 徳島南部コシヒカリは初の「特A」2025年2月28日
-
【JA全国青年大会】JA青年の主張 最優秀賞に谷本弾さん(JAあきた北青年部)2025年2月28日
-
全農 政府備蓄米入札への応札方針決める2025年2月28日
-
(424)「米国農務省の長期見通し」雑感【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月28日
-
大谷翔平選手が「ファミリーマートおむすびアンバサダー」就任「ぼんご監修おむすび」新発売2025年2月28日
-
東北農林専門職大学、南東北クボタと「スマート農林業」で連携協定締結 山形県新庄市2025年2月28日
-
【役員人事】JA三井リース(4月1日付)2025年2月28日
-
「令和7年2月17日からの大雪」農業経営収入保険の支払い期限を延長 NOSAI全国連2025年2月28日
-
宮崎ガス「カーボン・オフセット都市ガス」のJクレジットを媒介 農林中金2025年2月28日
-
農機の装備や販社連携、オンライン企画一体で農作業安全を推進 クボタ2025年2月28日
-
チラシやHP、SNSで農作業の安全を啓発 体験型研修も実施 ヤンマーアグリ2025年2月28日
-
安全装置を採用、機種別広報で農作業安全を啓発 三菱マヒンドラ農機2025年2月28日
-
農業女子プロジェクトや社外研修でも農作業安全を啓発 井関農機2025年2月28日
-
農業用窒素固定菌資材「エヌキャッチ」 キャンペーン ファイトクローム2025年2月28日
-
【役員人事】雪印メグミルク(4月1日付)2025年2月28日