米の需給 「緩和」見通し続く-米穀機構調査2021年6月4日
米穀安定供給確保支援機構が6月3日に発表した「米取引関係者の判断に関する調査」の5月分では、主食用米の需給動向について緩和するとの見方が依然として続いている。
主食用米の需給動向の現状判断DIは「20」。前月の17より+3となったが、昨年6月以来、DIは20台を継続しており、需給が緩んでいる、との見方は1年前から変わらない。
向こう3か月の見通し判断DIも「19」と需給緩和を見越す見方が依然として強い。
米価の見通し判断も「29」で下落するとの見方が強まったままだ。
取引関係者が判断材料としたのは「米穀の調達状況」が42%、「国内の在庫水準」が39%で過剰感が要因となっている。
米の需給環境を改善するため、JAグループは令和2年産米を長期保管して今年の秋以降に順次販売していく取り組みを進めているが、当初の20万tが販売不振で33万tにまで増えており倉庫の確保も課題になっている。
全農取扱い分では昨年11月以降に持ち越し古米となった令和元年産米22万tを売り切ったのは、ようやくこのゴールデンウィーク明けで半年かかった。このままでは令和2年産米の今年11月以降の持ち越し在庫は55万t程度となる見込みだという。今回、22万tの古米を売り切るのに半年を要したことから、55万tなら1年間を要しかねない。そのため令和3年産を主食用以外に仕向ける必要がある。
「主産県が3年産の主食用はこれだけしか作りません、という数値を示さなければ2年産米が動かない」と関係者は強調する。
米価が大きく下落した平成25年前後の米穀機構のこの調査を振り返ってみる。
民間在庫量が180万tだった平成24年。主食用米の需給動向の現状判断DIは同年6月では「78」と需給は締まっているとの見方だった。その後、豊作見通しから需給が緩むという見方が強まり、在庫が224万tとなった翌25年6月では「27」となり、それ以降、20台が続く。翌26年6月の在庫量は220万tで需給判断DIは「25」だった。
この間に米価は24年産米1万5561円(年産平均)、25年米1万3353円、26年産米1万927円へと下落した。関係者の需給判断に関するDIは平成25年時と同様の傾向が示されている。
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