作付転換へ加算を見直し-2022年産米対策2021年11月18日
農林水産省は主食用米の需給環境を改善するため2022(令和4)年産米でさらに主食用以外への作付け転換が必要なことから支援策を見直す考えを11月17日に示した。
2021年産の主食用米の作付け面積は前年実績から6.3万ha減少し(▲4.6%)、130万3000haとなった。
過去最大規模の作付転換で、そのうち飼料用米への転換が4.5万haと全体の7割以上を占めた。
今後の需給見通しについてJA全中は、毎年の需要減少量が▲10万t、6月末の適正在庫量を200万tと試算した場合、2022年産の必要生産量は658万t程度としている。10月25日現在の21年産生産量は700.7万tとなっており、22年産はさらに21年産比(平年作ベース)で▲39万tの大幅な作付転換が必要だとしている。
農水省は21年産対策としてより収益性の高い作物への転換に向けて一層の支援が必要だとの考えを示している。来年度予算では子実用トウモロコシを支援対象に追加する。
また、より定着性の高い作付転換につなげるための見直しが必要だとの考えを示した。
麦・大豆・飼料作物への10a3.5万円や飼料用米の収量払い同5.5万円~10.5万円などの単価を維持したうえで、複数年・拡大加算の見直し、地力増進作物の追加と同時に転作が定着した水田への支援の見直しを行う方針も示した。
また、収入減少影響緩和交付金(ナラシ交付金)については、需要に応じた生産を後押しする観点から、生産者が事前にJAなどと出荷契約を結んだ生産者や、実需者と販売契約を結んだ生産者を対象とすることを検討する。
なお、今年は出来秋の収入減少を補うため、来年5月~6月のナラシ対策や収入保険の交付金が行われるまでの間、日本政策金融公庫の無利子融資での対応が特別措置として実施される。
そのほか、米の需給実態を示す新たな価格等の情報を活用することも検討していく。現在、農水省はJAグループや卸などと米の現物市場の開設について検討している。
また、コロナ禍の影響での需要減に対応するため、20年産米の37万tを長期計画的に販売するために保管支援をしているが、このうち15万tを特別枠として長期間にわたって保管料を支援する対策も行う。
さらに収穫を終えた21年産米についても、主食用米の長期計画的な販売を前倒しして支援する必要があるとの考えも示している。
一方、政府備蓄米は需給操作のために運用はしないとの方針で政府備蓄米の買入れ数量の拡大は行わないとしている。
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