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米の需要見通し「702~706万t」変更せず-農水省2022年3月3日

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農林水産省は3月2日、食料・農業・農村政策審議会食糧部会を開き、米の基本指針の変更を諮問した。需要量の見通しについては11月策定の基本指針で示した「702~706万t」の変更は行わない案が食糧部会で了承された。

令和3・4年の主食用米等の需給見通し

農水省は昨年11月の基本指針で2021/22年の需要量の見通しを試算する際、昨年7月から10月の米の販売動向調査を踏まえた。

それによるとこの期間の販売量は134.1万tで前年同期比で0.65%増えた。これを市場流通見込み(2020/21年565万t=生産量723万t-農家消費等158万t)での販売量が0.65%増加すると仮定すると、需要量は約4万t増加するとした。

そのため最近の消費トレンドから算出した702万tに4万tを加え、幅を持たせた「702~706万t」を需要量とした。

ただし、基本指針には、需要量については新型コロナウイルス感染症の状況や、価格動向などで「今後、変動する可能性がある」と異例の「注」をつけた。

実際、基本指針策定後、一旦収まりを見せたコロナ禍は再びオミクロン株の拡大で年明けから感染者数が増えている。こうした状況のなかで、外食などの回復が見込めず米の需要量のさらなる減退も懸念されていた。

今回、指針の見直しにあたって農水省は昨年10月から今年1月の米販売動向を追加調査した。その結果、昨年7月から今年1月の販売量は230万tで前年の同時期にくらべて1.21%増えたことが分かった。

これを昨年11月の基本指針策定の際と同じ要領で算出すると「702~709万t」となる。ただ、コロナ禍の影響など、先行きが不透明なため、上方修正はせず11月策定の基本指針で示した「702~706万t」との需要見通しは変更しないことにした。

ただ、JAグループなどは需要量についてより厳しい見方もある。2018/19年の需要実績は735万t、2019/20年は714万t、2020/21年は704万tとこの2年間で30万t米も需要は落ちた。19年と20年の間でも10万t下がったことをふまえ、2021/22年は694万程度になるとの試算もある。これをもとに、適正在庫水準を確保できるよう22年産の主食用米生産量を考えると、650~660万t程度となる。国の基本指針では適正生産量を675万tとしており、それよりさらに作付け転換が必要になることになる。今後も需要の動向を決め細かくみていく必要がある。

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