「源流仁多米こしひかり」の島根県奥出雲町・追谷地区の棚田が「つなぐ棚田遺産」に選定2022年3月9日
株式会社プリアップが販売する「源流仁多米こしひかり」の生産地で、島根県仁多郡奥出雲町追谷地区の棚田が、農林水産省の「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」に選定された。
追谷地区の棚田
「つなぐ棚田遺産」は、棚田地域の活性化や棚田の多面的な機能について国民の理解を広めるため、棚田地域の振興に関する取り組みを積極的に評価し、優良な棚田を認定する取り組み。2月14日に開かれた「つなぐ棚田遺産選定委員会(第2回)」で、271の棚田が「つなぐ棚田遺産」として選定され、追谷地区の棚田はその歴史文化と、景観の両面が評価された。
世界の鉱山のほとんどが、採掘後は投棄されて荒廃の道をたどる中、追谷地区では、たたら製鉄の広大な跡地が稲田へと姿を変え、米の産地となった。たたら製鉄は、日本古来から伝わる鉄を作る技術で、「鉄穴(かんな)流し」という独特な手法で良質な砂鉄を採掘し、豊富な薪炭林を利用して砂鉄を製錬。追谷地区は、日本を代表する鉄の一大産地で、この鉄穴流し跡に拓けた広大な棚田の一つが、「つなぐ棚田遺産」に認定された。
たたら製鉄は鉄の生産だけでなく、多面にわたり奥出雲の歴史文化に多大な影響を与えてきた。例えば、燃料木炭製造にかかる山林経営、輸送・農耕のための牛馬の改良や流通道路網の整備のほか、竹崎の十七夜や大呂愛宕祭りなどの伝統文化を生み出した。歴史と文化が残る特別な棚田と景観は、文化的価値のあるものと認められ、2014年3月18日に「たたら製鉄と棚田の文化的景観」として国の重要文化的景観にも選定された。
2016年からは、奥出雲地区の芸術・文化に明るい未来を灯そうと、棚田のライトアップイベント「たたらの灯」をはじめ、田んぼアート、フォトコンテスト、ライトアップコンサートなどが行われている。
◎「源流仁多米こしひかり」
"西の横綱"とも評される仁多米の中でも、追谷地区で生産される「源流仁多米こしひかり」は、噛むほどに広がる甘みと旨み、ふっくらもっちりとした食感、冷めても美味しい味わいが特長。生活排水の入らないきれいな水と、地元和牛のふん堆肥のみで作られた土壌、高い標高による昼夜の寒暖差など、米が特別に美味しく育つための環境が揃っている。
「源流仁多米こしひかり」は、追谷地区の棚田でのみ育った米を、農家から直送で届けており、他の米と混ぜないこともこだわりの一つ。生産量も限られた希少な米といえる。
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