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島根県安来市、JAしまねと包括連携協定 農業振興・食育推進へ 東洋ライス2023年5月11日

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島根県安来市、JAしまね、東洋ライスの3者は、包括連携協定を締結した。安来市産米等を活用した、農業振興と健康増進や食育の推進などを通じ、地域社会の発展を目的とした取り組みを進める。

同連携では今後、具体的な取組として6月5日から、安来市内の公立小学校17校、中学校5校の全校および幼稚園1園の計2658人の児童の給食ごはんを「金芽米(きんめまい)」に切り替える。計画では、週4回のごはん給食となり、年間約36トンのコメを使用予定。この取組においては、「安来市産きぬむすめ」を原料とし、JAしまねが精米加工を担う。

「金芽米」は、東洋ライス独自の加工技術によって、ビタミンやミネラルなどの滋養源である玄米の栄養を残したまま、美味しく、消化性に優れたコメ。普通の精米方法ではヌカと一緒に取れてしまう、栄養と旨味成分が含まれる「亜糊粉層」を表面に残すことで、ほのかな甘みを感じられる。同社は近年、金芽米等の継続摂取による健康への効果を実証し、論文発表している。

JAしまねと東洋ライスは2017年、「健康長寿しまね」の創造を目指して包括連携協定を締結。「コメの価値の見直し・生産農家の生産意欲向上」と「地域住民の健康増進」を目的に連携して取り組んできた。また、金芽米(BG無洗米)加工時に産出される、とぎ汁成分をリサイクルした有機質資材「米の精」を活用した循環型農業にも注力しており、環境にやさしいだけでなく、土壌を豊かにすることで美味で酵素活性にも優れるコメづくりに役立てられている。また、2021年度からは、同市内保育園8園で、金芽米加工した「安来市産きぬむすめ」の給食が始まった。

高齢化等による担い手の減少、耕作放棄地の増加が稲作農業の顕在的な問題となる中、近年のコロナ禍によるコメの需要減少と、それに伴う価格下落が問題に拍車をかけている。また、食とライフスタイルの多様化で食生活は豊かで便利になる一方、栄養過多や欠食、栄養バランスの偏りなど多くの問題が生じている。

今回の包括連携協定では、こうした農と食の様々な課題に対し、安来市産米の需要の確保による農業支援、高付加価値米による地域住民の健康増進を推進。また、地産地消の推進と循環型農業による環境保全を加速させ、地域社会の発展を目指す。

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