有機米粉の活用拡大へ 兵庫県加東市の有機山田錦生産者とパートナー提携 田田田堂2023年11月22日
米粉のスイーツや麺、甘酒のジェラートなどを通して、お米の新たな楽しみ方を発信する「田田田堂」(兵庫県神戸市)は、兵庫県産有機米粉の活用拡大に伴い、加東市で有機農業に取り組む生産者グループと、新たにパートナー提携を締結。有機山田錦は、今年の刈入れ分で発生した中米から活用を始め、来春以降は、米粉向け品種ミズホチカラ(有機JAS転換期間中)の栽培委託も行う。山田錦の「中米」活用を通して生産者に価値を還元するとともに、慣行栽培から有機栽培への転換期間を買い支える取り組みを実施する。
田田田堂が今回新たにパートナー提携を結んだのは、山田錦発祥の地・北播磨に位置する兵庫県加東市山国の有機米生産者4軒。加東市は、市内の多くが山田錦産地で最上とされる「特A地区」に格付けされ、高品質な山田錦を多く産出している。山国も、酒造会社からの指名で、長年契約栽培を行っている産地のひとつだが、有機山田錦の生産者はごく一部の限られている。
毎年、秋に刈り取りを終えて脱穀した山田錦は、ふるいにかけられ、一定サイズ以上の粒だけが酒造用に出荷。そこで残った規格外の米をさらにふるいにかけ、くず米を落としたものが「中米」で、これまで他の慣行栽培の中米と同等の低価格(正粒の1/4程度)しかつかなかったこの有機中米を、田田田堂ではより高い適正価格で買い取り、米粉に製粉する。
田田田堂のミズホチカラ米粉(有機JAS転換期間中)はリピーター続出の人気商品
2024年春からは、4人グループの有志対象に、製菓・製パンに適した米粉向け品種ミズホチカラ(有機JAS転換期間中)の栽培委託も開始。ミズホチカラは山田錦に比べて栽培が容易で、多収性が特長。これまで生産者にとっては、慣行栽培から有機栽培に圃場を転換する過程で、栽培が不安定になり収益性が下がる点が悩みの種だった。田田田堂ではこの期間にミズホチカラの栽培を委託して買い支えることにより、転換ハードルを下げ、有機圃場拡大の一助となることをめざす。
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