「xarvio FIELD MANAGER」活用で水稲生産者のJクレジット申請をサポート BASFジャパン2024年3月18日
BASFジャパンは3月、Jクレジットのプロジェクト運営事業者のフェイガーとGreen Carbonと提携。2024年の水稲の栽培シーズンから、栽培管理支援システム「xarvio FIELD MANAGER(ザルビオ フィールドマネージャー)」を活用した農業者のJクレジット申請をサポートする。
BASFと2社は水稲栽培における中干し期間延長により生じるクレジット創出を後押しすることで、農業の現場における炭素管理と環境負荷の低減に向けた取り組みを推進する。この新たな取り組みにおいて、xarvio FIELD MANAGERは、ユーザーに最適な中干し開始時期を通知。農業者は直近の過去2年間における中干し実施日数の平均より7日間以上中干し期間を延長し、その記録を政府から認証を受けたプロジェクト運営事業者を通じて申請することで、Jクレジットの認証を受けることができる。
BASFはプロジェクト運営事業者との提携により、水稲生産者へJクレジット申請手順の案内が可能になった。農業者はまず初めに、プロジェクト運営事業者のwebサイト上で、営農計画書や生産管理記録などを参考に、ほ場の情報を登録。栽培期間中はxarvio FIELD MANAGERが提供するほ場の状況に関する情報や生育予測、病害発生予測などを活用し、最適な施肥や防除、中干しを含む水管理、収穫を行うことで、中干し期間延長により発生するリスクを軽減する。また、収量と品質の向上を目指す。栽培記録は簡単にxarvio FIELD MANAGERで記録でき、栽培終了後に記録をCSVファイルにエクスポートするだけで、申請に必要なデータを用意できる。BASFは農業者に幅広いオプションを提供するため、今後さらにプロジェクト運営事業者とのパートナーシップを拡大する。
BASFアグロソリューション事業部アジアパシフィック シニアバイスプレジデントのシモーネ・バーグ氏は、「BASFは米などの戦略的な作物において、2030年までに生産量1トン当たりのCO2換算の排出量を30%削減するという大きな目標を掲げており、日本での取り組みはその重要な一歩。これを達成するために、農業者、政策立案者、業界関係者と協力して、自然とのバランスを取りながら作物を栽培するよりスマートな方法を見つけていく」とコメントしている。
BASFは、農林水産省が『みどりの食料システム戦略』で掲げる、農業における化石燃料の燃焼によるCO2排出量ゼロの目標に沿って、持続可能な農業に取り組んでいる。BASFジャパンのアグロソリューション事業部事業部長の野田信介氏は「カーボンファーミングのテーマはまだ新しく、政府や業界関係者による対応が必要な多くの技術的課題があるが、xarvioの精密スマート農業技術を活用し、産業界と連携して初期の先駆的な取り組みを進める。世界中で最も大切な仕事をしている農業者の利益のために、その成果を形作ることを楽しみにしている」と話している。
温室効果ガスのメタンはCO2の25倍の温室効果があり、水田からの排出量が日本全体の排出量の約4割を占める。農業者は、土壌に炭素を隔離できるため、作物栽培における温室効果ガスの排出量を大幅に削減する上で重要な役割を果たす。水稲栽培における中干し期間を7日間延長することでメタンの発生量を3割削減できることが確認されており、みどりの食料システムにおいて持続的な農業生産の技術体系の一部にも位置付けられている。
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