米ぬか由来ナノ粒子の抗がん作用を確認 東京理科大学2024年4月24日
東京理科大学薬学部薬学科の西川元也教授、鈴木日向子氏(2021年度卒業)、板倉祥子助教、同大学薬学研究科薬科学専攻の佐々木大輔氏(2023年度博士後期課程修了)、同大学薬学部生命創薬科学科の草森浩輔准教授らの研究グループは、エクソソーム様の米ぬか由来ナノ粒子(rbNPs; rice bran-derived nanoparticles)が優れた抗がん活性を有することを明らかにした。
研究概要。rbNPsは細胞周期を停止させ、アポトーシスを誘導することで抗がん作用を示すことが明らかになった
近年、植物由来のナノ粒子は低コストで大量に調製可能で、医薬的に有用な生理活性を示す報告が相次いでいる。精米過程で発生する副産物である米ぬかはあまり活用されておらず、大量に廃棄されているが、米ぬかにはγ-オリザノールやγ-トコトリエノールなど抗がん作用を示すさまざまな物質が含まれることから、rbNPsはがん治療の新規治療薬候補として有望であることが期待される。
同研究グループは、コシヒカリの米ぬかをリン酸緩衝生理食塩水に懸濁し、遠心分離後、シリンジフィルターで濾過した濾液を超遠心分離した沈殿物を懸濁することでrbNPsを得た。
rbNPsはがん細胞にのみ特異的に細胞傷害作用を示し、マウス結腸がんcolon26細胞に対して、他の植物由来ナノ粒子や抗がん剤として用いられているドキシル®よりも高い細胞傷害作用を示した。その背景には、β-カテニンやサイクリンD1などの発現抑制を通じてがん細胞の細胞周期を停止させ、アポトーシスを誘導するというメカニズムがあることも突き止めた。
また、rbNPsが培養細胞だけでなく、動物レベルでもこうした抗がん作用を示すかを確かめるため、colon26細胞を移植した腹膜播種モデルマウスにrbNPsを腹腔内投与。その結果、rbNPsは副作用を示すことなく、がん細胞の増殖を顕著に抑制した。
以上の結果から、rbNPsは新たながん治療薬候補として極めて有望であることが示唆された。
同研究成果は、2024年3月16日に国際学術誌『Journal of Nanobiotechnology』にオンライン掲載された。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(118) -改正食料・農業・農村基本法(4)-2024年11月16日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (35) 【防除学習帖】第274回2024年11月16日
-
農薬の正しい使い方(8)【今さら聞けない営農情報】第274回2024年11月16日
-
【特殊報】オリーブにオリーブ立枯病 県内で初めて確認 滋賀県2024年11月15日
-
農業者数・農地面積・生産資材で目標設定を 主食用生産の持続へ政策見直しを JAグループ政策要請①2024年11月15日
-
(410)米国:食の外部化率【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月15日
-
値上げ、ライス減量の一方、お代わり無料続ける店も 米価値上げへ対応さまざま 外食産業2024年11月15日
-
「お米に代わるものはない」 去年より高い新米 スーパーの売り場では2024年11月15日
-
鳥インフル 米オレゴン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月15日
-
「鳥インフル 農水省、ハンガリー2県からの家きん・家きん肉等の輸入を14日付で一時停止」2024年11月15日
-
「鳥インフル 農水省、ハンガリー2県からの家きん・家きん肉等の輸入を13日付で一時停止」2024年11月15日
-
鳥インフル 米ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月15日
-
南魚沼産コシヒカリと紀州みなべ産南高梅「つぶ傑」限定販売 JAみなみ魚沼×トノハタ2024年11月15日
-
東北6県の魅力発信「食べて知って東北応援企画」実施 JAタウン2024年11月15日
-
筋肉の形のパンを無料で「マッスル・ベーカリー」表参道に限定オープン JA全農2024年11月15日
-
「国産りんごフェア」全農直営飲食店舗で21日から開催 JAタウン2024年11月15日
-
農薬出荷数量は3.0%減、農薬出荷金額は0.1%減 2024年農薬年度9月末出荷実績 クロップライフジャパン2024年11月15日
-
かんたん手間いらず!新製品「お米宅配袋」 日本マタイ2024年11月15日
-
北海道・あべ養鶏場「旬のりんごとたまごのぷりん」新発売2024年11月15日
-
日本各地のキウイフルーツが集まる「キウイ博」香川県善通寺市で開催2024年11月15日