主食用米「作付け増」5県から11県に増加 米価上昇を受け 農水省の意向調査2024年5月30日
農林水産省は5月30日、都道府県別の水田の作付意向(4月末時点)を公表した。23年産実績と比較すると主食用米は、増加傾向11県、前年並み25県、減少傾向11県と見込まれている。
この調査は農林水産省が都道府県別に作付け意向を聞き取って公表している。
1月末時点の調査結果とくらべて、「前年より増加傾向」は5県から11県に増加した。
宮城、福島、茨城、群馬、千葉、愛知、徳島は1月末時点では「前年並み」を見込んでいた。また、栃木は前回は「前年より減少傾向」だった。そのほか前回に引き続き増加傾向と見込んでいるのが、北海道、青森、福井だった。
戦略作物については「前年より増加傾向」または「前年並み」としている県が多いのは、「加工用米」(増加傾向20県)、「新市場開拓米(輸出用米など)」(同26県)、「米粉用米」(同20県)、「WCS用稲」(同25県)と、「麦」(同24県)となっている。
一方、「飼料用米」は「減少傾向」が36県となっている。
好調な主食用米販売
農水省によると昨年1月~12月の米の販売数量は、小売向けで+2%、中食・外食向けで+5%となった。また、今年3月の対前年同月比は小売向けで+7%、中食・外食向けで0%で合計では+4%となった。
3月末の全国の民間在庫は、出荷段階で対前年差▲33万tの171万t、販売段階は同▲3万tの43万tで計▲36万tの215万tとなった。
23/24年の需要量681万t(見通し)に対する在庫率は31.6%で一昨年同時期の38.5%、昨年同時期の36.3%にくらべて着実に下がっており、コロナ前とほぼ同水準に戻った。
こうした需給環境のなかで米の相対取引価格は上昇傾向が続いており、出来秋からの年産平均価格は前年産より+1449円の60kg1万5293円となった。
今回の調査結果で主食用の作付けが全体として前年産より増加することが考えられるが、3月に農水省が策定した米の基本指針では24年産の生産量は669万tとされ、23年産と同水準が適正な生産量とされている。
30日に開かれた自民党農業基本政策検討委員会では出席議員から「米の価格が上がってきたのはよかったが、また作付けが主食用米に流れると下落する。麦や大豆をしっかりつくっていくことが大事で自給率向上につながる」といった意見や、「米は食料安全保障上、重要であり水田地域が底上げされるような政策」をとの声も上がった。また、米が足りないという声を聞くことから「米の在庫情報について正確な情報を提供を」と農水省に求める声もあった。
小野寺五典委員長は「当初より(主食用米の作付けが)増える傾向にある。ここで気を許してしまうと大変厳しい局面になる可能性もある。しっかり需給を保ったかたちで生産できるようしたい」と述べ、米粉など主食用以外に需要を喚起することが大事だと強調した。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】イネカメムシ 県内全域で多発のおそれ 鳥取県2024年7月16日
-
藤原紀香がMC 新番組「紀香とゆる飲み」YouTubeで配信開始 JAタウン2024年7月16日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」鹿児島県で黒酢料理を堪能 JAタウン2024年7月16日
-
北海道で農業×アルバイト×観光「農WORK(ノウワク)トリップ」開設2024年7月16日
-
水田用除草ロボット「SV01-2025」受注開始 ソルトフラッツ2024年7月16日
-
元気な地域づくりを目指す団体を資金面で応援 助成総額400万円 パルシステム神奈川2024年7月16日
-
環境と未来を学べる体験型イベント 小平と池袋で開催 生活クラブ2024年7月16日
-
ポーランドからの家きん肉等の一時輸入停止を解除 農水省2024年7月16日
-
JAタウンのショップ「ホクレン」北海道産メロンが当たる「野菜BOX」発売2024年7月16日
-
「野菜ソムリエサミット」7月度「青果部門」最高金賞2品など発表 日本野菜ソムリエ協会2024年7月16日
-
「幻の卵屋さん」本駒込に常設店オープン 日本たまごかけごはん研究所2024年7月16日
-
地元の食材を使ったスクールランチが累計20万食に コープさっぽろ2024年7月16日
-
【役員人事】アグリビジネス投資育成(4月1日付)2024年7月16日
-
シンとんぼ(102) -みどりの食料システム戦略対応 現場はどう動くべきか(12)-2024年7月13日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(19)【防除学習帖】 第258回2024年7月13日
-
土壌診断の基礎知識(28)【今さら聞けない営農情報】第258回2024年7月13日
-
石破茂衆議院議員に聞く(2)「農協はもっと政治運動を」【食料・農業・農村/どうするのか? この国のかたち】2024年7月12日
-
優績LA302人を表彰 チーム表彰でJA水戸など47人 JA共済連2024年7月12日
-
酪農戸数5.6%減 離農進む 畜産統計2月1日現在2024年7月12日
-
(392)フード・バリューチェーン分解と就業者数推移【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年7月12日