独自技術で水田の中干しを測定 北海道岩見沢市で実証実験 ソラテクノロジー2024年7月22日
AIと航空宇宙技術でグローバルヘルスや気候変動課題に取り組むSORA Technologyは、北日本スカイテック(KST)、スマート農業共同体(SAc)、東京農業大学地域環境科学部生産環境工学科岡澤宏教授と共同で、独自のドローン・AI技術を用いて水稲栽培で行う水田の中干し期間の測定事業を実施。6月にSTARTUP HOKKAIDOが主催するオープンイノベーションプロジェクト「Local Innovation Challenge HOKKAIDO」に採択され、北海道岩見沢市にて実証実験を実施した。
農業GX領域の最初の取り組みとしてソラテクノロジーは、ドローンとAIを組み合わせて水田の中干し期間の計測を行う。水田は地球温暖化を引き起こす温室効果ガスの一つであるメタンガス(二酸化炭素と比べて25倍の温室効果)の発生源でもあり、日本国内の人間活動によるメタンガス排出の45%は稲作によるものと言われる。
水稲栽培では、稲を育成する間に水田の水を一定期間抜いて水田を乾いた状態にしておく「中干し」という作業が行われる。この中干しによって、稲の品質低下と収穫量の減少を避けるとともに、温室効果ガスの一種であるメタンガスの発生を抑制する効果がある。稲の生育を阻害しない範囲で中干し期間が長ければ長いほどメタンガスの発生を抑制できることから、中干し期間を延長することは、温室効果ガスの削減につなががる。
ソラテクノロジーは中干し期間の測定にドローンと独自AIを使用。自社で開発した固定翼型ドローンで水田を上空から測定し、AIの画像認証技術によって水田に水が存在しているかどうかを判定する。自社開発の固定翼型ドローンは、1回の飛行で最大100ヘクタールを撮影でき、限られた時間内でも広範囲の水田を計測。中干しの日数を算出することが可能になる。
「Local Innovation Challenge HOKKAIDO」は、国内外のスタートアップと北海道内の自治体・事業者の協業により、地域課題の解決に取り組むオープンイノベーションプロジェクト。2020年のスタート以来、4年間で30件の実証実験を採択し、スタートアップの事業成長や地域でのイノベーション機運醸成に貢献している。
今回、ソラテクノロジーは岩見沢市の土地改良区とマッチングし、ドローンとAIを使い中干し期間を測定する実証実験を実施した。
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