飛騨の山間耕作放棄地で循環型農業に挑戦 山を愛する米「山仙」発売2024年7月31日
岐阜県飛騨金山市で米づくりをする山仙組合は8月12日、山を愛する米ブランド「山仙」を発売。同組合は、山間の耕作放棄地で、作り手と食べ手が一体となったサステナブルな循環型農業に挑戦している。
「山仙」が生まれたのは、秘境と呼ばれる谷間。澄みきった空気とふくよかな渓水が直に注ぐ、豊かな自然に抱かれ、通常のコシヒカリの1.5倍の大きさを誇る大粒米へと成長する。険しい山奥での耕作には、繊細な技術と膨大な重労働が求められるが、その分、逞しい食感と旨味で、冷めても美味しい唯一無二のお米ができあがる。
一方、飛騨では高齢化や過疎化が進み、耕作放棄地となる田んぼが年々増加。長い年月をかけて整備された田んぼにはたくさんの生き物が棲みつき特有の生態系が育まれるが、一度人の手から離れてしまうと、水の循環の悪化や雑草の大量発生など、生態系の破壊に繋がる要因となる。さらに、田んぼは土地の保水力を高める役割も担っているため、田んぼの減少により土砂災害などを引き起こす可能性が高まるなど深刻な問題となっている。
山仙組合は、そんな耕作放棄地となってしまった山の田んぼを引き受け、耕し、美味しいお米を栽培。自然と向き合うには長い時間を要することから、衛生写真や水量測定装置を使った効率的な管理体制、透明性のある報酬体系など、不安定な要素を見直し、サステナブルな農業へ改革している。
同組合では、作り手だけでなく食べ手である消費者も山の保護活動に参加できる仕組みとして、米を食べて山を守る「里親倶楽部」を発足。定期便に申し込むと入部できる会員制サービスで、定期便の費用のみで参加できる。収益の一部は、山の田んぼの保護活動に活用される。また、田んぼの成長の様子を伝えるコンテンツや、里親限定イベントを実施。配達の直前に精米した「山仙」をお得な価格で楽しめる特典も用意している。
重要な記事
最新の記事
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(1)2025年9月18日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(2)2025年9月18日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(3)2025年9月18日
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(3)病気や環境幅広く クリニック西日本分室 小川哲郎さん2025年9月18日
-
【全中・経営ビジョンセミナー】伝統産業「熊野筆」と広島県信用組合に学ぶ 協同組織と地域金融機関の連携2025年9月18日
-
【石破首相退陣に思う】米増産は評価 国のテコ入れで農業守れ 参政党代表 神谷宗幣参議院議員2025年9月18日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】協同組合は生産者と消費者と国民全体を守る~農協人は原点に立ち返って踏ん張ろう2025年9月18日
-
「ひとめぼれ」3万1000円に 全農みやぎが追加払い オファーに応え集荷するため2025年9月18日
-
アケビの皮・間引き野菜・オカヒジキ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第356回2025年9月18日
-
石川佳純の卓球教室「47都道府県サンクスツアー」三重県で開催 JA全農2025年9月18日
-
秋の交通安全キャンペーンを開始 FANTASTICS 八木勇征さん主演の新CM放映 特設サイトも公開 JA共済連2025年9月18日
-
西郷倉庫で25年産米入庫始まる JA鶴岡2025年9月18日
-
「いざ土づくり!美味しい富山を届けよう!」秋の土づくり運動を推進 富山県JAグループ2025年9月18日
-
日本初・民間主導の再突入衛星「あおば」打ち上げ事業を支援 JA三井リース2025年9月18日
-
ドトールコーヒー監修アイスバー「ドトール キャラメルカフェラテ」新発売 協同乳業2025年9月18日
-
「らくのうプチマルシェ」28日に新宿で開催 全酪連2025年9月18日
-
埼玉県「スマート農業技術実演・展示会」参加者を募集2025年9月18日
-
「AGRI WEEK in F VILLAGE 2025」に協賛 食と農業を学ぶ秋の祭典 クボタ2025年9月18日
-
農家向け生成AI活用支援サービス「農業AI顧問」提供開始 農情人2025年9月18日
-
段ボール、堆肥、苗で不耕起栽培「ノーディグ菜園」を普及 日本ノーディグ協会2025年9月18日