全国作況101の「平年並み」 米穀データバンク予想2024年8月19日
民間調査機関の米穀データバンクは2024年産米の収穫予想を8月8日に発表した。水稲の作柄は全国作況101の「平年並み」(7月31日現在)と予想している。
地帯別の作況は、北海道104、東北102で「やや良」と予想しており、他は、関東100、北陸99、東海100、近畿100、中国101、四国101、九州101、沖縄99の「平年並み」と見込んでいる。
都道府県別では作況102~105の「やや良」が12道県、99~101の「平年並み」が32都府県、95~98の「やや不良」が3県(埼玉県、山梨県、滋賀県)となっている。
同社の収穫予想は、各都道府県の7月末までの気象データを作況推計プログラムに投入して予想した。7月の大雨で発生した秋田県・山形県での浸水・冠水被害も把握できる範囲で作付面積に反映させているという。
今後の天候では高温や台風の発生など天候不順による水稲への影響も考えられるため、高温障害、病害虫、台風などが収量と品質に影響を与えることに留意する必要があるとしている。
同社は各県への聞き取りなどを踏まえ、水稲の作付面積は125万5000haと前年産実績より1万3000ha増と推計した。政府備蓄米、加工用米、新規需要米など非主食用の戦略作物は除外している。
そのうえで全国平均の10a当たり収量541kgとの予測を踏まえて、収穫量は約679万tと前年より約17万9000t増と見通した。
農林水産省は6月末の在庫量を156万tとしており、これに収穫予想数量を加えた主食用米の供給量(24年7月~25年6月)は約835万tと見込む。
7月に農水省が策定した需要見通しは約673万tとなっており、来年6月末の在庫量は約162万tが見込まれる。農水省の7月作成の需給見通しでの在庫量より10万t多いが、低水準の在庫量となり、同社はタイトな需給状況を見込む。
23年産価格が高騰し、24年産米の価格は高い水準で取引がスタートしている。23年産米在庫が少ないなか、24年産米への切り替えが早く進むことも考えられる。同社は価格上昇による需要減も懸念されるため、「販売進度と需要動向の確認が必要になる」としている。
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