米の小売向け価格上昇 前年同月比128.6% 8月末 農水省2024年9月30日
農林水産省は9月27日、23年産米の8月末の販売状況や在庫量などを公表した。
8月末の出荷業者(5000t以上)の全国の集荷量は257.4万tで対前年同月比▲15.9万tとなった。契約数量は254.7万tで同▲14.8tとなった。一方、販売数量は226.6万tで同+9.5万tとなっている。集荷・契約数量は前年にくらべて少ないが、販売数量は前年より増えている。
在庫数量は65万tで前月より▲17万tとなった。7月の対前月差▲32万tより減少幅が少なくなったのは、8月に入って24年産新米が集荷されて在庫として積み上がってきたため。
この民間在庫量は①500t以上の集荷業者、②4000t以上の卸売業者という大規模事業者を対象にしており、民間在庫全体の7割をカバーしている。
農水省は65万tの在庫量を今年7月から来年6月までの需要量(673万t)で割った在庫率を示しているが、それによると10%と低水準になっている。23年8月末は15%、22年同では18%だった。ただ、2011年8月末の7%、2012年同の8%とくらべれば高い水準だとして新米の出回りが本格化してくることから在庫水準に問題はないとしている。
一方、卸業者からの販売数量は小売事業者向け、中食・外食事業者向けともに前年同月比100%となっている。
ただ、価格は小売事業者向け同128.6%と前月の同118.7%を上回り上昇した。中食・外食事業者向けの価格も114.9%の上昇となっている。
農林水産省が公表しているスーパーでの精米販売数量の推移を見ると、8月26日から9月1日は対前年比+4.8%だったが、9月2日からの週では一転して同▲1.2%、9月9日からの週では同▲11.9%と、9月に入ってからは米の売れ行きが鈍化している。消費者の米の購入も一段落したと見られている。
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