米粉即席麺に適性 水稲新品種「やわらまる」育成 農研機構2024年12月5日
農研機構は、米粉即席麺への適性を持つ新品種「やわらまる」を育成。小林生麺株式会社と共同で、米粉即席麺の課題だった湯戻し時間を、従来の製法より約3分短縮する技術を開発した。グルテンを含まない即席麺として小林生麺が受注を始めており、今後、同技術による国産米粉使用のカップ麺を開発する。
開発した離乳食向け米粉即席麺(左)と開発中のカップ麺
国産米を原料とした米粉は、食料の安定供給や米の需要拡大の面から注目を集めている。米粉は小麦アレルギーへの対応が可能な利点もあることから、パンやケーキ、麺類など新たな用途への利用が進み、新たな需要が増加傾向にあるが、さらなる利用拡大には、米粉加工食品の高品質化や利用時の簡便さの向上が欠かせない。
農研機構は米に含まれるデンプンのうちアミロペクチンと呼ばれる成分の特性を改良し、米デンプンの糊化温度が「コシヒカリ」など一般的な品種より約5℃低い新品種「やわらまる」を育成。米粉麺の製造、販売を手がける小林生麺と共同で、「やわらまる」を活用して米粉を原料とした即席麺の課題だった湯戻し時間短縮に取り組んだ。
その結果、糊化温度が低い「やわらまる」を原料とした米粉の特徴と、小林生麺による副原料の選択や製麺方法を組み合わせ、開発した製麺技術(特開2024‐095625)により、米粉即席麺の湯戻し時間を約3分短縮することが可能となった。
小林生麺では、麺の形状などさらに工夫を加え、簡便性が求められる離乳食向けとして湯戻し時間5分のグルテンを含まない即席麺を受注生産している。今後は、国産「やわらまる」米粉使用のカップ麺を開発し、輸出も含め広く普及することを目指す。
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